2022 Fiscal Year Research-status Report
廃水処理における除去メカニズム解明のためのウイルスの視覚的・特異的検出技術の開発
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22K18818
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久保田 健吾 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80455807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (80550368)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 視覚的検出技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
電子顕微鏡で生物を可視化するための方法として、非特異的に生物を染色可能な方法を開発した。本手法は生物細胞に結合し、かつペルオキシダーゼ活性を有するヘミンとチラミドシグナル増幅法を組み合わせることで、任意の重元素による染色が可能な手法である。手法の開発にあたり、まず、ヘミン濃度、反応時間、チラミドシグナル増幅法の最適化を行った。最適化は、蛍光標識チラミドを用いて純粋培養株を標的として行った。蛍光強度を画像解析ソフトで定量的に測定し、各反応条件において高い蛍光強度が得られる条件を探索して、条件を決定した。その後、複合微生物生態系のモデルケースとして汚泥サンプル、またミネラルなどの無機物を多く含むモデルケースとして土壌サンプルに適用してその有用性を確認した。 次に、細胞の金元素による標識を行った。具体的にはヘミンを生物細胞に結合させた後、チラミドシグナル増幅法でビオチンを沈着させた。そして金ナノ粒子結合ストレプトアビジンを反応させ、ビオチン-ストレプトアビジン結合により金ナノ粒子を細胞に結合させた。最後に金増感反応により金ナノ粒子を肥大化させ、それを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。金シグナルを確認することができ、またSEM-EDXによる元素マッピングにおいて存在箇所を示すことができた。今後は本手法がウイルスの可視化に適用可能かを検討していく必要がある。 またジゴキシゲニンを標識した長鎖遺伝子プローブの合成に関する検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電子顕微鏡で微生物を非特異的に検出する方法を開発することができた。またDIGを標識した長鎖遺伝子プローブ合成に関する検討も開始しており、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
電子顕微鏡での観察を含めた長鎖遺伝子プローブを用いた検出系を構築する。プローブ合成の最適化、各種反応条件の最適化を行うことで、電子顕微鏡で検出するのに十分な感度を有する技術を開発する予定である。
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Causes of Carryover |
ヘミンを用いた検出系が想定よりもうまく進んだためそちらにより注力し(現在論文執筆中)、長鎖遺伝子プローブの設計や最適化が少し遅れたため次年度使用額が生じた。R5年度に行うプローブ合成や検出系の最適化などに使用していく。その上で全体としては、電子顕微鏡で微生物とウイルスを検出する技術を開発し、その関係性を視覚的に明らかにするための実験に使用する。主として実験消耗品の使用になるが、その他に学会発表のための旅費や学内の実験装置使用料や論文の英文校正として用いることを計画している。
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