2023 Fiscal Year Research-status Report
BDEC-AIによるSociety5.0へ向けた解析能力創出
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22K18823
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
市村 強 東京大学, 地震研究所, 教授 (20333833)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 大規模データ / 大規模シミュレーション / PDE / データサイエンスアプローチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,partial differential equation (PDE)による解析能力の向上を目指してその求解の高速化を,Big data & extreme computing (BDEC)を踏まえたPDE求解のスキームとデータサイエンス的アプローチの融合により,実現を試みている.本年度は,収束性が悪く解析コストが巨大となる時間発展する地震大規模シミュレーションに対して,大規模シミュレーション中の過去時間ステップで得られた大規模データセットをデータサイエンス的に解析することで,大規模シミュレーションの解析コストを軽減することを試みた.シミュレーションの当該時間ステップより前の過去時間ステップで得られた大規模データセットに含まれる解空間の拘束条件を適切に抽出し活用することで,本来は大規模シミュレーションの求解内で実施する解空間の拘束の一部を代替することが出来,結果的に大規模シミュレーションの解析コストの低減が達成された.これを時間ステップが進展にあわせて実施することで,時間発展する地震の大規模シミュレーション全体の解析コストを低減することが可能となった.なお,過去時間ステップで得られた大規模データセットをデータサイエンス的に解析する部分の解析コストは大規模シミュレーションに比べて小さいため,上記の解析コスト軽減により,シミュレーション全体のtime-to-solution自体が改善されている.また,本手法は従来のPDE求解と比較して,解空間の拘束をデータサイエンス的手法により代替しているのみであるため,従来のPDE求解と同等の精度の解を求めることが出来ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象となる数理問題の性質を踏まえて,当初の研究計画で想定された課題を解決することが出来,かつ,提案手法の有効性が検証できたことから,当初の研究計画通りに順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画に従い順調に進展していることから,当初研究計画に基づき研究を実施する.
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Causes of Carryover |
3月に予定していた研究打ち合わせのための海外出張が,フライトキャンセルにより延期となり,その代替を次年度行うこととしたため,次年度使用額が生じた.
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