2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the utilizing technology of rapid measurement and 3D Lissajous figure for reconstruction support of houses damaged by natural disasters
Project/Area Number |
22K18846
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大久保 孝昭 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (60185220)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 被災住宅 / 住民支援 / ドローン / 常時微動 / リサージュ |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,リサージュ描写を高速処理が可能な電子基盤に移築して,計測とリアルタイムで描写することを実現した。実建築物における実証実験では,戸建て軽量鉄骨造住宅において,通常の常時微動計測とドローン搭載センサによる微動計測結果がほぼ一致することを確認した。また,FFT解析結果ならびにリサージュについてもほぼ一致することを確認し,本研究で提案する技術の実用化の可能性を確認することができた。 また,2023年7月に広島大学に3次元の振動台(2m×2m)が設置された。そこで本研究では,ラスモルタル外壁を有する木造軸組の模擬試験体3体を作製し,振動台を用いて繰返し地震力を入力し,試験体に損傷を生じさせ,常時微動の変化を計測した。その結果,地震力の作用時のみならず,地震後の常時微動による固有周波数の変化で,損傷の進展を追うことができた。さらに,リサージュの即時描写によって,劣化の生じた壁面を特定することもできた。ドローンに搭載した加速度センサによる計測でも同様の結果が得られており,本研究の目標である「地震直後の住宅の迅速な損傷診断」が可能であることを示している。 また,RC壁面を模擬した試験体を用いた振動実験では,仕上げ材のはく離発生が光ファイバ(FBG)計測によって診断が可能であること,地震によるRC壁面の損傷については,加速度センサによる計測結果の即時固有値解析から損傷の進行を検知できることを明らかにした。 以上のように,本提案による計測システムや解析システムの検証結果として,ドローン搭載の無線加速度センサ計測により地震による建築物の損傷の有無や程度を速やかにかつ合理的に提示する技術のプロトタイプができたと考えている。萌芽研究としては十分な成果が得られたので,今後は実用化のための研究と査読付き論文の執筆を積極的に行う予定である。
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