2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of Multi-Hazard Resistant Buildings Considering Resilience Performance
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22K18849
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
久田 嘉章 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (70218709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 智弘 山梨県富士山科学研究所, その他部局等, 研究員 (80601898)
村上 正浩 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (90348863)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 複合災害 / 土砂災害 / 水害 / 建築物の被害調査 / 2021年熱海市土石流災害 / 2020年熊本県球磨川水害 / 2023年トルコ・シリア地震 / 2024年能登半島地震 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は水害・土砂災害による建築物の被害調査を実施し、従来の耐震・耐火対策に加えて、建物に想定される各種災害に有効な対策を組み合わせ、それによるレジリエンス性能を評価し、複合災害による被害を効果的に低減する耐複合災害建築の実現化を目的とする。2023年度は、土砂災害と水害の実態調査の結果の分析とシミュレーション解析を実施した。一方、2023年トルコ・シリア地震では活断層帯地震による強震動と大規模な地表地震断層の断層変位による建物被害が発生し、さらに2024年能登半島地震における地震動・津波・液状化等による甚大な複合災害が発生したため、申請者らは両地震の現地調査を実施した。まず土砂災害としては、2021年熱海市伊豆山地区の粒子法による土石流シミュレーション解析を行い、146棟の建築物の被害調査結果の再現を試みた。その結果、土石流の流下現象と建物の構造別の被害の再現をほぼ再現することが可能となった。一方、水害では2020年熊本県球磨川水害による人吉市と球磨村にて被害調査結果による700棟を超える建築物のデータと、東京理科大学・二瓶研究室が実施した洪水シミュレーションによる浸水深と流速データをもとに、建物の構造・築年別の被害関数の構築を試みた。一方、2023年トルコ・シリア地震では活断層帯地震による強震動と大規模な地表地震断層による断層変位が発生し、複合災害による甚大な被害が発生したため、申請者らは建物被害の現地調査を実施した。さらに2024年能登半島沖地震では強震動と津波・液状化などによる甚大な複合災害が発生したため、申請者らは関係者と協力して現地調査を実施し、貴重なデータを収集した。これらの成果は日本建築学会、日本地震工学シンポジウム等の関連学会にて公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
土砂災害では、2021年熱海市伊豆山地区の土石流と対象として、新たに開発した粒子法による土石流シミュレーションが可能となった。前年度に146棟の建築物の被害調査を実施しており、数値シミュレーションにより土石流と被害の再現がほぼ可能となった。一方、水害では前年度に2020年熊本県球磨川水害による人吉市と球磨村において被害調査を実施し、700棟を超える建築物のデータを収集した。このデータを用いて、耐震対策(築年や構造、階数など)の有効性や限界を分析すると同時に、東京理科大学・二瓶研究室が実施した洪水シミュレーションによる浸水深と流速データをもとに、建物の構造・築年別の被害関数の構築中である。さらに2023年トルコ・シリア地震では活断層帯地震による強震動と地表地震断層の断層変位による複合災害、2024年能登半島沖地震では強震動と津波・液状化などによる複合災害が発生したため、申請者らは現地調査を実施して貴重な建物被害データを収集することができた。この結果を現在分析中であり、様々なハザードに対して効果的な耐複合災害建築に向けた貴重な資料を得ることができた。対外的にも日本建築学会や日本地震工学シンポジウム等の関連学会にて公表することができた。さらに参加研究者に加えて、研究協力者として土砂災害の専門家である安田教授(東京電機大)、水害の専門家である田村客員教授(千葉大)、二瓶教授(東京理科大)らと研究会を開催し、土石流と洪水による調査結果とシミュレーション結果との比較検討などの成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
土石流と洪水被害に関しては、2021年熱海市伊豆山地区土石流災害と2020年熊本県球磨川水害(人吉市・球磨村)での調査結果と並行して、数値シミュレーション結果とも比較検討し、有効な建築・まちづくり対策に関する知見を最終成果としてとりまとめる予定である。さらに対象の調査地域では現在でも復旧対策が進行中である建築物のハード対策に加えて、避難計画や復興計画など、生活再建から復旧・復興に向けた進捗状況を調査しており、複合災害に有効な建築・まちづくりに関する知見もまとめる。一方、2023年2月トルコ・シリア地震では震源近傍の強震動に加えて、断層変位による建築被害と効果的な対策に関する知見をまとめ、さらに2024年1月の能登半島地震では、強震動と津波、液状化による建物被害と対策に関する有益な知見を得ることができた。これらの成果から有効な建築・まちづくり対策の知見をとりまとめ、日本建築学会や地震工学シンポジウム等の関連学会にて発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた2020年熊本県球磨川水害の現地調査では参加者が1名となり安価に行えた。また2024年能登半島地震が発生したため、当初予定していた広島県での土砂災害の調査から能登半島の調査に変更し、これも当初の旅費より安価に実施できたため、差額が生じた。今年度は2024年能登半島地震の追加調査を実施して、予算を有効に活用する計画である。
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Research Products
(12 results)