2022 Fiscal Year Research-status Report
発達障害児等の環境刺激因子を除去したカームダウンルームデザイン手法の構築
Project/Area Number |
22K18851
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Research Institution | Yamato University |
Principal Investigator |
老田 智美 大和大学, 理工学部, 講師 (50898864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 由紀子 摂南大学, 理工学部, 教授 (00411116)
正岡 さち 島根大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30194161)
田中 直人 島根大学, 総合理工学部, 客員教授 (60248169)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 発達障害児・者 / カームダウンルーム / 環境刺激因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
多様な要因でパニック出現のある発達障がい児・者への外出時の配慮として、公共的施設内に「カームダウン・クールダウンルーム(以下、カームダウンルーム)」が整備されつつある。パニック出現の要因には感覚過敏に起因する「環境刺激因子」があると思われるため、「環境刺激因子」に配慮したカームダウンルームの整備が求められる。そこで本研究では、「環境刺激因子」を除去したカームダウンルームのデザイン手法を構築し、新築および既存の公共的施設への導入を前提としたガイドライン化を目的とする。 令和4年度の研究計画では当初、発達障害児等が利用する施設と職員、発達障害児等家族を対象とした「環境刺激因子別のパニック出現状況とその環境把握」等に関する調査を実施する予定であったが、① 新型コロナウイルス感染症の影響により、対象施設の立ち入り制限があったこと、② 汎用性の高いガイドラインの作成が必要であること、を理由に調査対象を再検討した。 令和4年度では、就労継続支援A型事業所および就労継続支援B型事業所の職員を対象に、利用者の休息が必要となる場面や対応の場などについてヒアリング調査を行った。結果、働き方に自由度のあるB型の利用者よりも、A型の利用者の方が休息の場が必要であることがわかった。 併せて大学生を対象に、空き時間にひとりで過ごす場の空間的傾向などについてのヒアリング調査を実施するにあたり、調査項目検討のための予備調査として大学生対象にインタビュー調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究を遂行するにあたり、「新型コロナウイルス感染症の影響により対象施設としていた放課後デイサービス施設の立ち入り制限があったこと」に起因し、調査対象の再検討が必要になったため時間を要した。 併せて調査対象の確定後にはじめた就労継続支援施設ヒアリング調査の時期と新型コロナウイルス感染症の第8波が重なったことも、進捗がやや遅れている理由のひとつである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度では、令和4年度に実施した就労継続支援A型事業所および就労継続支援B型事業所の職員を対象としたヒアリング調査を引き続き行うと共に、その結果をベースに全国の事業所へのアンケート調査を実施する予定である。併せて令和4年度に準備した大学生を対象にしたアンケート調査も実施する予定である。 以上2つの調査結果より、「パニック出現を未然に防ぐカームダウンルームに求められる空間の類型化」および「環境刺激因子とカームダウンルームに求められる空間の選択傾向の把握」を導き出し、「実物大模型の製作と検証実験の実施」につなげる予定である。
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Causes of Carryover |
当初、令和4年度に実施予定であった、発達障害児等が利用する施設と職員、発達障害児等家族を対象とした「環境刺激因子別のパニック出現状況とその環境把握」等に関する調査では、放課後デイサービス施設での現地およびヒアリング調査であった。しかし調査対象の再検討うえ、就労継続支援事業所と大学生にし、データ収集方法もアンケート調査(街頭(学内)調査法)に変更することとなった。特に大学生への調査では倫理的観点から調査員と回答者が接触しないインターネットによるアンケート調査にすることとした。そのため専用のノートパソコンの必要性が生じ、当初の予定に反し購入をした。
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