2022 Fiscal Year Research-status Report
Simulation of nucleation based on Bayesian inference and surrogate modeling
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22K18875
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大野 宗一 北海道大学, 工学研究院, 教授 (30431331)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 核生成 / フェーズフィールド法 / 分子動力学法 / 機械学習 / 熱揺らぎ / ノイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、金属材料の凝固における核生成を高速かつ高精度に再現・予測する手法の構築であり、そのために原子シミュレーション、組織シミュレーション、そしてデータ科学・機械学習を駆使して、原子間ポテンシャルの情報のみから実プロセスのスケールの核生成を予測可能な新手法の開発を試みる。具体的には、「分子動力学法(MD)で計算した原子スケールにおける核生成挙動」の計算結果から、「データ同化によるパラメータ推定」を用いて、組織レベルの「フェーズフィールド法における核生成ノイズ」の性質を明らかにする。そして、その性質の推定結果を機械学習し、「核生成ノイズのサロゲート(代理)モデル」を構築する。 本年度は、上記の「分子動力学法による原子スケールにおける核生成挙動の計算」を実施した。Ni, Cu, Alを対象に、これらのfcc系の純金属の凝固における核生成を、1000万原子系のMD計算で調査した。また、Ni-Alに元系合金におけるNi richのfcc固溶体合金の凝固時の核生成挙動についても調査を行った。純Ni及びNi-Al合金においては、bccがまず核生成し、それがfccに変態することで核生成が進行することが明らかになった。 また、「フェーズフィールド法における核生成ノイズ」に関する調査も実施した。純金属の凝固を対象に、核生成頻度を制御するために必要なノイズが計算格子の間隔や過冷度にどのように依存するのかについても明らかにした。これらの依存性を機械学習の形でサロゲートモデリングすることについても検討する進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究によって、MDとフェーズフィールド法のそれぞれを用いた核生成の計算が可能になった。また、フェーズフィールド法の解析においては、所望の核生成挙動を再現するためにノイズをサロゲートモデリングする方法についても検討を行った。次年度以降、これらの知見を深めることで目的の達成が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
MDによる核生成のシミュレーションの結果を解析し、フェーズフィールド法の熱揺らぎに反映させる方法の検討を行う。また、引き続き機械学習によるサロゲートモデリングについて検討を進める。
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Causes of Carryover |
半導体不足と円高の影響受け、計画通りにGPUボードを購入できなかった。別の研究で使用していた計算機が幸いにして予想よりも早く空いたため、その余裕ができた計算機を使うことで今年度の課題を実施することができた。翌年度分の助成金と合わせて、予定していた計算機を購入し、本テーマの研究を実施する。
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Research Products
(3 results)