2022 Fiscal Year Research-status Report
Realization of tough ceramics with photoplastic effect induced by defect engineering
Project/Area Number |
22K18878
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安藤 大輔 東北大学, 工学研究科, 准教授 (50615820)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ディフェクトエンジニアリング / 二次元欠陥 / セラミックス / 光塑性効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
SDGsが提唱する低炭素化社会は熱機関の高温化で成し遂げられる。次々世代の耐熱材料は 高融点で耐酸化性が良いセラミックスでしか成し遂げられない。しかし、高温で高強度な 材料は室温で脆くて壊れやすいという欠点を持つ。申請者はこの欠点を克服した軽量セラ ミックス創製に挑戦したい。本研究は1970年代にセラミックスの光塑性効果として発見さ れていたが、50年来謎であるセラミックス中の転位の動き易さを阻害する要因の除去方法 を光照射でなく、意図的な二次元欠陥を調質するディフェクトエンジニアリングで達成し 、セラミックスの持つ延性ポテンシャルを最大化して、セラミックスは脆いという固定概 念を打ち破る挑戦を行うものである。特に、申請者が過去に行ったコーティング材の研究 を振り返り、柔らかい膜、摩耗してしまう膜として研究対象外にしたセラミックスコーテ ィングに塑性変形能を生じさせる微視的構造のカギが隠されていると考えて、新材料探索 効率を飛躍的に高めるコンビナトリアルスパッタ法で組成傾斜膜を成膜、ナノインデンテ ーションで硬度の組成依存性を調査、塑性変形しうる組成のTEM観察で塑性変形能を生じさ せる微視的構造のカギを検証する。本年度は特にCrを固溶させたAl2O3コーティング膜について調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は過去に行ったコーティング材の研究 を振り返り、柔らかい膜、摩耗してしまう膜として研究対象外にしたセラミックスコーテ ィングに塑性変形能を生じさせる微視的構造のカギが隠されていると考えて、Crを固溶させたAl2O3コーティング膜について調査した。その結果、ナノインデンテーションやビッカース硬さ試験後の圧痕直下をTEM観察したところ、二次元欠陥を伴った塑性変形が生じていることが明らかになり、Al2O3にCrを添加することで塑性変形能が上昇することがわかった。この二次元欠陥を伴った塑性変形には相変態が関わっていることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究でセラミックスの変形には二次元欠陥を伴った相変態が重要であることが明らかになったので、Al酸化物ベースで相変態するセラミックスでの組成と塑性変形能に注目して調査して、光塑性効果を実環境中で引き出した材料創製を目指す。
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Causes of Carryover |
旅費および人件費(英文校正費)が生じなかったためであり、本年度で成果報告および論文発表を行うことで使用する計画である。
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