2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a highly efficient production and recycling process for metallic calcium using molten salt electrolysis
Project/Area Number |
22K18880
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 隆成 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (50555290)
|
Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
|
Keywords | カルシウム / 製錬 / リサイクル / 溶融塩 / 電気化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
高純度金属カルシウム(Ca)の高効率・低環境負荷・低コスト製造およびリサイクル」を可能とする技術革新を目指した研究を行う。本研究が進展すると、先端デバイス、クリーンエネルギーデバイスなどに不可欠な希土類金属(レアアース)やチタンなどのレアメタルの製錬・精錬プロセス、およびリサイクルプロセスに革命を起こし、持続性と科学技術の発展が両立した社会の構築に大きく貢献する。高純度の金属Caを高効率に得る方法は存在しない。金属Caの高い反応性と、溶融塩への高い溶解度から、電解還元反応の電流効率は非常に低く、さらに、真空蒸留による不純物除去工程が必要なため、製造工程におけるエネルギー効率が低いことが課題である。本研究では、申請者が過去に取り組んでいた、溶融塩と金属Ca合金を用いる二次電池開発で得た知見を活かし、「Caの溶融塩への溶解現象の制御」により「高純度Caを高効率に製造可能とする革新的プロセスの開発」を目指す。 これまでの研究では、実験設備および特殊な電気化学セルの設計と作製を行った。さらに、Caを高純度化する手法の基礎的検証を進めた。今後は高純度化技術の有効性を実証していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高純度金属カルシウム(Ca)の高効率・低環境負荷・低コスト製造およびリサイクルを可能とする技術革新を目指した研究を行っている。 極めて反応性が高く、扱いの難しい金属Caおよびカルシウムハライド溶融塩を用いるプロセスを検証する実験のため、反応系の雰囲気制御(水分制御)を可能とする実験設備を作製した。また、カルシウム合金の作製のため、アーク溶解炉を導入した。 カルシウム合金と溶融塩界面での電気化学反応を詳細に検討可能な、電気化学セルを構築し、溶融塩中での電気化学的挙動を調査した。さらに本研究で提案する新しい高純度化技術について基礎的実験を行い、その効果が確認された。 研究の進捗は当初の予定通りであり、これまでに構築した実験系を用いることで、今後研究が加速していくことが期待される。反応の詳細を系統的に評価・比較することで、高効率プロセスの設計を目指す。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、Ca-Biなど様々な2元系合金、多元系合金について、これまでに確立した実験系を用いて電気化学的解析を進める。同時に、提案している分離膜を用いてCaのみを選択的に抽出・分離する革新的な手法について検討する。 溶融塩に含まれる他のアニオン種(Fe-、Cl-、Br-、I-、O2-)の挙動を熱力学的に考察し、プロセスに適した溶融塩を選択する。その選択した溶融塩に対してカルシウム酸化物および金属Caの溶解度を評価する。 さらに、Ca電解析出の速度論的評価に取り組む。電気化学測定により、反応の詳細を系統的に評価・比較することで、高効率プロセスの設計を目指す。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Rare Metal Technology 20232023
Author(s)
Takanari Ouchi, Kerstin Forsberg, Gisele Azimi, Shafiq Alam, Neale R. Neelameggham, Hojong Kim, Alafara Abdullahi Baba, Hong Peng, Athanasios Karamalidis
Total Pages
301
Publisher
Springer
-