2022 Fiscal Year Research-status Report
Stress-responsive underwater adhesion using particle-stabilized bubble
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22K18891
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 秀司 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70434785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 尚之 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (80344133)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 泡 / 接着 / 高分子粒子 / 界面 / 刺激応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「ぬれの化学」に基づき、基材の表面化学(親水性・疎水性バランス)と泡の基材への吸着性の相関関係を解明することにある。また、粒子安定化泡を応力応答性接着剤として捉え、刺激応答型の水中接着技術の実現にも取り組む。令和4年度は、下記4項目について検討を行った。 (1)泡の作製条件の最適化:ポリビニルピロリドンが表面に分散安定剤として吸着したポリスチレン粒子を使用し、水中にて1時間以上安定に存在する数ミリメートルの直径を有する粒子安定化泡の作製条件を明らかにした。 (2)被着体表面の親水性・疎水性バランス制御:被着体として、常温で応力変形が起こりにくいガラス基板を取り上げた。ガラス基板を、フッ素系シランカップリング剤、炭化水素系シランカップリング剤等を使用して表面処理し、親水性・疎水性バランスを制御した基材を調製した。親水性・疎水性バランスは水中における空気泡の接触角測定により評価した。 (3)粒子安定化泡の接着力評価:粒子安定化泡に、基板間で圧縮応力を加え、泡の崩壊および内部気泡漏出を誘起した。漏出した内部気泡が基材を架橋し接着することを確認した。 (4)粒子安定化泡の接着性発現メカニズムの解明:粒子安定化泡の崩壊および内部気泡漏出に必要な応力を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画通り、粒子安定化泡が水中接着剤として機能することを明らかにした。計画通り目標を達成することができた。また、令和5年度の研究計画の準備実験も開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も、研究分担者との連携を通じて、基材の表面化学と泡の基材への吸着性の相関関係の解明に取り組み、粒子安定化泡を用いた水中接着技術の実現を目指す。具体的には、下記の点について研究を推進する。 (1)粒子安定化泡の接着力評価:粒子安定化泡に、基板間で圧縮応力を加え、水中接着させる。応力印加条件、被着体の親水性・疎水性バランスと接着力の相関関係を精査する。また、実測接着力と基板間にはたらくラプラス圧から算出される理論接着力を比較、考察する。 (2)粒子安定化泡の接着性発現メカニズムの解明:粒子安定化泡への圧縮応力印加時の泡の構造変化を、ハイスピードマイクロスコープによりin situ観察し、気泡の被着体へのぬれ広がりを評価する。さらに、接着力発現後、光学顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡を用いて接着部位における気泡形状(架橋構造)、気泡の接触角を評価し、接着力発現機構の解明につなげる。
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Causes of Carryover |
被着体の表面処理に必要な試薬(価格:470000円程度)が海外製であり、輸入に時間がかかってしまい、2022年度内の購入が叶わなかった。2023年度、被着体の表面処理に必要な試薬の購入に使用予定である。
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Research Products
(24 results)