2022 Fiscal Year Research-status Report
光電変換効率の増強を示すハライド・ペロブスカイトの三次元フォトニック結晶の作製
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22K18902
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三宅 正男 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (60361648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平藤 哲司 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (70208833)
池之上 卓己 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (00633538)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ペロブスカイト / フォトニック結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
フォトニック結晶は、光の波長と同程度の間隔で屈折率分布を有するナノ周期構造をもつ人工結晶である。フォトニック結晶は、光子のエネルギーに対して、バンド構造が形成される特徴があり、特定波長の光が侵入できなかったり、内部に閉じ込められたりするなどの現象が観察される。一方、ペロブスカイト型の結晶構造をもつ金属ハライド化合物が、極めて高い光電変換効率を実現する材料として見出され、太陽電池周辺の半導体分野で活発に研究されている。この金属ハライド・ペロブスカイト化合物でフォトニック結晶を形成できれば、光電エネルギー変換の増強などの高度な制御の実現が期待できる。しかし、その作製法は十分に確立されていない。本研究では、ペロブスカイトからなるフォトニック結晶の作製を目指す。 まず、テンプレート法によるフォトニック結晶の形成を試みた。原理検証として、単層のポリスチレン・コロイド結晶をテンプレートに用い、テンプレートの空隙内に、ペロブスカイト化合物を成長させた後、テンプレートを除去することでペロブスカイト化合物の二次元フォトニック結晶を得ることを試みた。ペロブスカイト化合物として、メチルアンモニウムヨウ化ビスマス (MA3Bi2I9)を用いた。ミストデポジション法により、ポリスチレン・コロイド結晶内にMA3Bi2I9を成長させることができることを確認した。その後、トルエンに浸漬することで、ポリスチレン・コロイドを選択的に溶解除去することができ、周期構造を有するMA3Bi2I9層を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二次元テンプレート内へのペロブスカイト化合物の充填およびテンプレートの選択除去を可能とする方法を見出すことはできたが、三次元テンプレート内へのペロブスカイト化合物の充填は達成できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ペロブスカイト・フォトニック結晶の作製技術の確立を目指し、ペロブスカイト化合物のテンプレート細孔内部への充填方法の模索を行う。また、得られたペロブスカイト周期構造体の光学特性および電気的特性の評価を行う。
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Causes of Carryover |
テンプレート法によるマイクロ周期構造の形成に適するペロブスカイト化合物とテンプレート材料の組み合わせを探索することを予定していたが、研究開始までに適当な材料を見出すことができ、この組み合わせを使って研究を進めることとした。 反応条件の最適化は依然として必要であるため、これを明らかとし、さらに、得られた周期構造体の光学・電気特性の評価を行う。
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