2023 Fiscal Year Annual Research Report
カーボン系非白金酸素還元触媒のバイオ電気化学デバイスへの展開
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22K18912
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻村 清也 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30362429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波江 裕太 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (40514881)
四反田 功 東京理科大学, 創域理工学部先端化学科, 准教授 (70434024)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 酸素還元触媒 / 触媒 / バイオ電池 / 微生物電池 / バイオセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオ電気化学デバイスは、生物機能と電気化学反応を結びつけ、環境、エネルギー、健康・ヘルスケア、医療など多岐にわたる分野で応用が期待されている。しかし、これらのデバイスを駆動させるための電源確保は大きな課題となっている。そこで、アノードよりも貴な電位で酸素の還元反応を促進し、外部電源不要(あるいは発電、自立駆動)型デバイスを実現することを目指した。このようなデバイスは設置場所を選ばず利便性が高く、経済性も向上する。ただし、生体環境下では不確定な夾雑物が多く含まれ、中性pHで穏やかな環境で作動する酸素還元触媒系には、高い活性と耐久性が求められている。また、鉄-窒素-カーボン触媒を電極上にとどめるためには、高分子のバインダーが必要となる。従来はNafionなどのプロトン伝導性ポリマーが使用されてきましたが、中性pHのリン酸緩衝液では活性が抑制されることがわかり、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が最適なバインダーとして見出された。また、バイオ燃料電池は、グルコースなどの燃料の酸化反応をアノードで行い、カソードで酸素の還元反応を行い、その化学エネルギーを直接電気に変換するデバイスであり、この原理を利用して、アノードでのグルコース酸化反応を進行させることで、自己駆動型の血糖測定器が実現さた。センサチップの対極にPTFEをバインダーにした酸素還元触媒を塗布することで、外部エネルギー供給なしにグルコースの検出が可能となった。これらの研究から、適切な触媒周りの溶液環境をデザインすることで、生理環境でも高い活性を発揮し、幅広いバイオ電気化学デバイスへの応用が可能であることが示された。
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