2023 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡プラズマと非定常触媒反応を利用した水と二酸化炭素からのメタン生成
Project/Area Number |
22K18925
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岸田 昌浩 九州大学, 工学研究院, 教授 (60243903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 剛 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20321979)
大島 一真 九州大学, 工学研究院, 助教 (60734275)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 非定常触媒反応 / 非平衡プラズマ / 二酸化炭素 / 水 / メタン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年同様,プラズマ反応部と触媒反応部の2つの反応部を,それぞれ独立に検討を進めた. プラズマ反応部では,マイクロ波を用いて発生させた非平衡プラズマにより,CO2とH2OからCO,O2,H2が得られることを確認した. 触媒反応部の検討では,まず金属材料の再検討を実施した.昨年度のPtおよびPdではH2吸蔵能およびメタン化能が乏しく,よりメタン化能が高い材料開発が必要であった.そこで高いH2吸蔵能を有する材料としてPd系合金,高いメタン化能を有する材料としてNiを採用し,改めて非定常操作による希釈COおよびH2からのメタン化を検討した.各材料個別で非定常操作を行ったところ,Pd系合金からH2脱蔵能を,担持Ni触媒にCO吸着能を確認できた.そして両者を物理混合することで希薄なCOおよびH2を原料に,非定常操作によりメタンを得ることに成功した.担持Ni触媒の担体を検討したところ,Ni/CeO2を用いた場合に特に高いメタン生成量を示すことが分かった.また一般にCOやH2は低温ほど吸着量が増大するが,本触媒では50℃での吸着でも十分なメタン生成量を示しており,比較的現実的な条件でメタンを得られることが示唆された.さらに昇温速度を上げるほど,反応物と触媒の接触が向上するためメタン生成量が増大した.本検討で用いた触媒系では,吸着させるCOおよびH2の濃度をそれぞれ0.3および1%にまで低減することができ,希薄なCOおよびH2から非定常操作によってメタンを得ることに成功した.ただしメタン化を進行させるためにはCO吸着量に比べて多くのH2吸蔵量が必要であり,より高効率にCOおよびH2を活用するためには,拡散性の高いH2を反応場に保持する反応器設計が必要であることが示唆された.以上のように転換効率には課題は残っているものの,1%以下の希薄なCOおよびH2を原料に用いてメタンを合成することに成功した.
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