2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of a spin pressure detection probe and real space spin mapping method
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22K18934
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
保原 麗 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (30568176)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | グラフェン / スピン / SiC / SPM / プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、グラフェンの高い強度・長いスピン拡散長といった特性と、強磁性体と常磁性体に発生する電圧がスピン圧に比例する現象を利用し、スピン圧を測定できる、頑強な直接接触型のプローブを開発することを目指している。 昨年度までに傍熱型の加熱装置で高品位なグラフェンを作成する手法を確立したため、本年度はそれをさらにすすめ、微細加工プロセスに耐えうる程度の面積のグラフェンを作成することに成功した。一般に傍熱型で均一な加熱をするのは難しいが、2平方cm程度の面積の単層・2層・多層グラフェンの作成に成功した。 さらに、このグラフェンを用いて微細加工を開始した。グラフェンはその反応性の低さ・安定性から、レジスト塗布やエッチングに通常とは異なる手法が必要であると予想しており、これに対応するべく研究中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り微細加工を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
グラフェンを用いたスピン伝達回路の形成にはエッチング・アッシング等によるグラフェンの切削が必要になる。また、スピン圧検出回路、注入回路を作成するには金属の製膜が必要となる。当初の予定通り、グラフェンは安定な物質で濡れ性が悪く、エッチングも容易ではないことが確認された。特にエッチングは対応する薬品がなく、プロセスを工夫する必要がある。 今後はアッシングとミリングを中心にグラフェンによる回路を形成する手法を検討する。
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Causes of Carryover |
高額な測定装置を購入する予定であったが、一時的に貸借するあてがついたため、為替や部品供給が安定するまで購入を延期することとした。 当面はプローブの製作が多く、測定は行わないために計画に問題はない。
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