2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-precision threshold voltage control technology for organic thin-film transistors
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22K18975
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
植村 隆文 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (30448097)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | フレキシブルセンサ / 有機トランジスタ / しきい値電圧制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フレキシブル有機電子回路における高精度の特性制御技術を確立し、次世代センサ技術に求められる高精度アナログ信号処理と超低消費電力駆動を両立する事を目的として研究を実施した。 初年度は、紫外光照射によって分子構造が変化する塗布型・光応答性高分子薄膜をトランジスタの絶縁層として活用し、フレキシブル有機トランジスタのしきい値電圧を「0.1 Vレベルの高い精度」で任意に制御する技術の開発を行い、n型の有機トランジスタにおいて、0.1 Vレベルでのしきい値電圧制御を実現した。実際にその有用性を実証するために研究提案にも掲げた「サブスレッショルド領域スイッチングによるnW級・超低消費電力回路駆動」を実証するための回路設計、試作と評価までを行った。その結果、サブスレッショルド領域スイッチングを実現したpWレベルの超低消費電力CMOSインバーターの作製に成功している。以上の成果をもって、今年度の研究実績として、ACS Applied Electronic Materials(IF:4.494(2021))に報告を行った(掲載済み)。 最終年度の2023年度には、この光照射による閾値電圧制御技術を有機トランジスタにおける金属半導体接合部の絶縁膜部分にも適応することにより、その接触抵抗を69%にまで低減できることを見出した。トランジスタの物性パラメータである閾値電圧の制御だけではなく、有機トランジスタの短チャネル化、ひいては高速動作にも本技術が有効であることが示された。本研究の成果は、ACS Applied Electronic Materials(IF:4.7(2022))に掲載された。
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Research Products
(12 results)