2022 Fiscal Year Research-status Report
Real-time wave-function theory of multielectron dynamics in solids under intense laser fields
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22K18982
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 顕一 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (70344025)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | アト秒科学 / レーザー加工 / 高強度場物理 / 高強度場物理 / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度フェムト秒レーザーパルスを照射された固体(半導体 、誘電体)電子系で起こる高強度場現象や超高速電子ダイナミクスは、学術的にも最先端で、またレーザー加工、ペタヘルツエレクトロニクスなどの産業応用の観点からも重要であり、近年急速に注目されている。本研究では、高強度場現象、すなわち、価電子帯から伝導帯への強励起(多光子励起 やトンネル遷移)、バンド内での電子ダイナミクス、キャリア散乱、高次高調波発生等の過程を、電子相関を含めて正確にシミュレーションする実時間第一原理計算手法を開拓する。我々がこれまで原子・分子を対象に開発してきた独自の卓越した第一原理計算技術を、固体を取り扱えるように拡張する。我々が気相の原子・分子で多くの成果をあげている多配置展開とクラスター展開を試し、より効率的なものを探索する。2022年度は、分子中の多電子ダイナミクスの量子・古典ハイブリッド計算のために開発してきた時間依存最適化ユニタリ結合クラスター法を周期系に拡張した。これまでのところ、Gauss型基底関数を用いた一次元水素鎖の基底状態を、虚数時間発展によって求めることに成功している。また、固体(周期系)の実時間第一原理計算で重要となるブロッホ関数の位相問題に解答を与えることを目指して、周期系と電磁場の相互作用を記述するより基礎的な理論の開発も開始した。量子化された電磁場と結合した複合系を考えることで、軌道の複素位相の自由度を変分原理から決定できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結合クラスター展開に基づく虚数時間発展で基底状態が得られたことに加え、位相問題についての示唆も得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
時間依存最適化ユニタリ結合クラスター法による実時間発展計算を試みる。また、起動の複素位相の問題について検討を続ける。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響が長引いたことにより成果発表のための出張旅費の支出が当初見込みを下回った。2023年度に積極的に国内外の学会に参加し成果発表につとめる。
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Research Products
(4 results)