2023 Fiscal Year Research-status Report
リング状光格子アレイを利用した光トラップに基づく浮遊型動的メタマテリアルの光形成
Project/Area Number |
22K18983
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
坂本 盛嗣 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (60757300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝部 大樹 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (00831083)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 光渦 / メタマテリアル / 光格子 / 液晶光配向膜 / 光マニピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の主な成果は、真空装置内での光ピンセット実験装置の構築である。本研究で目指す光ピンセット環境下での補足粒子の高速操作を実現するには、粘性抵抗等の無い真空環境下での光トラップが求められる。そこで、グローブボックス内に光ピンセットの光学系を組み込み、低真空環境下で光ピンセットの実験が可能な環境を構築した。
また、21x21スポットにリング状光格子を等エネルギーで発生させるDammann-Q-plate(DQP)の試作に向けて、紫外耐性を有する液晶空間光変調器を用いた光配向光学系の構築を行った。構築した光学系では、液晶空間光変調器を用いてDQPの位相パターンに対応する偏光パターンを発生させ、液晶光配向膜に転写露光することでDQPを作製できる。光学系の基本動作の確認は完了しており、偏光ホログラムを作製する事にも成功した。
さらに、トラップ光の適用波長を中遠赤外迄拡張するために、中赤外波長で利用可能なq-plate(QP)の試作を行った。FT-IRによる光吸収の分光スペクトル解析から、中赤外及び遠赤外で光吸収及び吸収率異方性の小さい基板材料と液晶材料とをそれぞれ選定した。さらに、中赤外波長と遠赤外波長とに対応したQPを作製するためのプロセスを確立し、3.88um及び9.5um用のQPをそれぞれ作製した。作製したQPを用いて、3.88um及び9.5um用の径偏光を発生出来ることも実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DQPの設計及び作成環境の構築、真空装置内での光ピンセット光学系の構築がそれぞれ完了したものの、21x21スポットのリング状光格子アレイの生成・真空環境下での金属微粒子ないし誘電体微粒子のトラップ条件を見出すには至っていない。このため、本研究で最終的に目指すメタサーフェスの動的制御の前段階の検証に留まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、設計された21x21スポットのリング状光格子を発生可能なDQPを試作するとともに特性を評価する。真空中ないし液中において金属微粒子及び誘電体微粒子を安定的にトラップできる条件を継続して探求する。また、リング状光格子アレイにトラップされた金属微粒子・誘電体微粒子が示す電磁応答特性について、FDTD法により解析する。
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Causes of Carryover |
現時点で真空中での光ピンセット条件を見出すことが出来ず、導入すべきレーザー光源の波長が定まっていない。このため、当初計画していた高出力レーザーの発注に至っておらず、経費の執行に遅れが生じている。トラップに適したレーザー波長が定まり次第、レーザーを購入する。
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Research Products
(2 results)