2022 Fiscal Year Research-status Report
Airflow measurement based on CO2 visualization with a single-wavelength infrared camera
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22K18990
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
宮崎 英樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (10262114)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 気流計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CO2吸収波長に合わせた狭帯域低温バンドパスフィルタを内蔵した世界最高の性能の単一波長赤外線カメラを用いることにより、大気中のCO2のごくわずかな濃度・温度ゆらぎを可視化し、無照明で気流を動的に観察する手法を新たな気流計測技術として完成させることを目指している。 初年度は、カメラから得られたCO2濃淡画像に適切な画像処理を施した後、動きベクトル検出法を適用するために、新たに数値解析ソフトウェアmatlabを導入した。これまでの予備実験では、C++で記述した自作プログラムを利用していたが、これにより既に整備されたライブラリから適切な画像処理方法を選べる環境が構築できた。また、こうした方が他の研究者と成果を共有する上でも便利であることがわかってきた。具体的には、動きベクトル検出法として多数のアルゴリズムを比較し、オプティカルフロー法、特にFarneback法が容易で頑健な処理の実現に適することがわかった。 また、従来のPIV法で用いられるオイルミスト発生器を導入した。ところが、これを実験室環境で適用するには、従来用いられてきたオイルでは周囲の汚染が思った以上に顕著で、我々の実験室環境ではとても動作させられないことが判明した。やむを得ず、今後のPIV法との比較には純水ミストを用いることとしたが、純水ミストの到達距離はオイルミストに比べると短く、気流計測上は制約が大きい。我々のCO2を用いる方法がクリーンであることは期待していたが、従来のミストを用いる方法がこれほど様々な問題を引き起こすことは、自ら実際に比較してみるまでわからなかったことで、我々の手法の利点は想像以上であったことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた初年度のオイルミスト発生器の導入は実現できた。ただ、思いの外、従来の方法に問題があったことを知ることともなった。また、汎用性の高い数値解析ソフトウェアの導入により、従来よりも手軽に効率的に種々の画像処理を試せる環境を構築できたことは今後の開発の上で重要な進展であった。
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Strategy for Future Research Activity |
次はPIV法の専用ソフトウェアを導入し、実際に我々自身PIV法で実験室内の気流を計測できる環境を構築する。それをCO2可視化カメラを用いた本研究の方法と直接的に比較していく。また一方で、オプティカルフロー法による速度場がCO2ガス排出量を計測するための重要な要素技術になることが期待されており、その実証実験へも展開したい。
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