2022 Fiscal Year Research-status Report
Study of terahertz-wave kinetic inductance detectors with superconducting metamaterials
Project/Area Number |
22K18991
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大谷 知行 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, チームリーダー (50281663)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 超伝導 / メタマテリアル / 共振器 / MKID |
Outline of Annual Research Achievements |
超伝導マイクロ波力学インダクタンス検出器(MKIDs)は、1本のマイクロ波信号読み出し線に共振周波数の異なるマイクロ波共振器を多数交流結合させた構造を有するため、1本の読み出し線で100個以上のピクセルの信号を同時に読み出せる検出器である。この検出器では、各ピクセルのデザインの差異により検出器特性のばらつきが生じるが、その主要因はマイクロ波共振器にあると考えられる。そこで、この課題解決のために、本研究では、超伝導マイクロ波共振器にメタマテリアル組み込みについて研究を行っている。2022年度は、共振器構造に組み込むメタマテリアル形状の1つとして、アナポール型メタマテリアルの設計とシミュレーションを実施した。具体的には、Nb超伝導体を用いた構造において、リング共振器の外径、太さ、ギャップの幅などの条件を変え、メタマテリアル励起透過(TIT)を示すような条件の探索を行い、良好なTITを示す条件を見出した。そして、その条件下での表面電流分布、電場強度分布、磁場強度分布を求めた。これらの条件をもとに、2023年度は実際のデバイスを作製し、希釈冷凍機での測定実験を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、主としてアナポール型メタマテリアルのシミュレーションを行った。その結果、メタマテリアル励起透過(TIT)を示すような条件を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に探索したメタマテリアル形状を中心として、これを組み込んだ実際のデバイスの作製を行う。なお、2023年度には、作製に用いるクリーンルームの移設作業が行われる可能性があり、その影響で、研究は2024年度までずれ込む可能性があるが、できるだけこれを見込んで先行して研究を進めたい。
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Causes of Carryover |
2022年度はシミュレーションを中心に実施したため、想定よりも経費を掛けずに研究を行うこととなった。2023年度は実際の素子作製を行うため、実験関係の費用がかかる予定である。
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