2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K18993
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
能村 貴宏 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50714523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國貞 雄治 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00591075)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 触媒 / 蓄熱 / エクセルギー再生 / コプロダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 蓄熱触媒の開発 蓄熱触媒作製法としてのMicroEncapsulated Phase Change Material (MEPCM)上への触媒担持法および触媒/触媒担体の同時担持法を検討した。また、数mgスケールの蓄熱触媒を充填可能なペンシルスケールの触媒反応試験装置を作製し、開発した蓄熱触媒の触媒性能を評価した。従来の含浸法やゾルゲル法による触媒担持が適用可能であったが、これら湿式の担持法においては処理中にMEPCMの凝集を防止するための対策をとる必要があることがわかった。メタネーション触媒などを中心に触媒を担持し、その触媒性能を調査したところ既往の報告と同等の性能を示した。これらの結果より、蓄熱性能という新たな機能を持ちつつ、十分な触媒性能を持つ蓄熱触媒開発の目途がたった。 2. 極微小スケールでの触媒反応と熱分散シミュレーション 第一原理計算を用い,蓄熱触媒表面上での反応の反応素過程と活性化エネルギーを求め,触媒性能とその性能を決定する要因を解明することを目的として、シミュレーションモデルの基盤を構築した。 3. 反応熱循環コプロダクションプロセスの開発 熱制御・熱輸送特性を十分観察可能なスケール(充填量~数十g程度)で実験モジュールを開発し、蓄熱触媒の熱制御・熱輸送特性を実験的に調査した。R4年度はメタネーションを対象として、発熱反応の制御を検討した。その結果、蓄熱触媒を導入することで数10分単位でホットスポットの抑制が可能であった。セミバッチ式では半サイクル時間が生産性を考える上で重要だが、数10分の半サイクル時間の達成は提案プロセスの実現可能性を十分示すものであると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蓄熱触媒の開発に関しては、MEPCMの凝集を防ぐ対策を見出し、一定の目途を立てることができた。また、プロセス開発に関しては、数十gスケールの試験装置を製作し、発熱反応系に対して熱制御の効果を十分検討可能であることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
発熱反応の対となる吸熱反応を見出し、反応熱を循環させることができるかが本提案の肝となる。今後は、吸熱反応系へアプローチしPOCを達成する。また、第一原理計算を用い,蓄熱触媒上での触媒反応の活性化エネルギーを明らかにする.また,フォノン計算に基づき,熱伝導特性を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
当初予定していた学会や集会への参加がオンラインに切り替わったケースがあったため。次年度は、より積極的に研究成果を学会などで発表するため、これに費用を当てる予定である。また、半導体の供給不足の影響から納期が未定の物品があり、この発注を見送った。次年度はこれらの物品の購入に費用を当てる予定である。
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Research Products
(5 results)