2024 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of superatomic metal clusters by microdroplet chemistry and its application to photoelectron imaging
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22K19009
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| Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堀尾 琢哉 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40443022)
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| Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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| Keywords | 微小液滴 / 金属クラスター / 超原子軌道 / イメージング / 光電子放出角度分布 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は,微小液滴内還元反応を利用した超原子金属クラスターの合成法を開発し,超高効率光電子イメージング法(Horio et al., Rev. Sci. Instrum. 93, 083302 (2022))へと応用するものである。同合成法の開発において,超原子金属クラスターの特徴的な電子構造を詳細に知ることは必要不可欠である。今年度は後者の実験手法を用いて,銀三量体負イオンのHOMOおよびHOMO-1の電子束縛エネルギーに加え,その軌道角運動量も定量的に評価した。前者は過去に実測例が存在するが,後者は無い。HOMOは超原子1P様軌道,HOMO-1は超原子1S様軌道と分類することができるため,前者からはsおよびd波が,後者からはp波が光電子部分波として主に放出されることが期待される。実際,繰返し100 kHzのフェムト秒波長可変レーザーを用い,光電子運動エネルギーを少しづつ変化させることで,両軌道から放出された光電子を注意深く可視化した。HOMOについて得られた実験室系光電子放出角度分布(LF-PAD)は,光電子発生しきい値近傍ではs波が支配的であり,運動エネルギーの増加とともに,d波との干渉が起こる様子が明瞭に観測された。HOMO-1について得られたLF-PADは,光電子発生しきい値近傍からp波が支配的であり,レーザー偏光軸方向に強い異方性を示した。以上の結果は,ezDysonによるLF-PADのシミュレーションでも定性的に再現することが出来た。さらに測定対象を銀三量体負イオンの励起状態にまで拡張し,フェムト秒パルスで過渡的に生成したS1状態からの光電子放出を観測し,同状態の電子構造を反映した光電子スペクトルを得ることに成功した。本成果を取り纏め,2025年3月13日に米国物理学協会の専門学術誌The Journal of Chemical Physicsに投稿した。
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