2022 Fiscal Year Research-status Report
LMCT遷移により誘起されたアルケンのanti-Markovnikov型水和反応
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22K19032
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三浦 智也 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (10378804)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 水和反応 / アルケン / LMCT遷移 / anti-Markovnikov選択性 / 光反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルケンの水和反応が進行するためには、基質であるアルケンの求電子的な活性化が必要である。例えば、酸性条件下でのアルケンのMarkovnikov 型水和反応では、プロトンを用いたアルケンの活性化によりカルボカチオン中間体が生成し、これに求核剤である水が付加する。したがって、anti-Markovnikov 型水和反応を実現するためには、酸触媒とは異なる位置選択性を可能にするアルケンの活性化法が必要となる。最近、Lei(中国)らは、可視光酸化還元触媒(福住触媒)を用いて、アルケンの一電子酸化により生じるラジカルカチオン中間体を活性種とするanti-Markovnikov 型水和反応を報告した。この反応では、ラジカルカチオン中間体に対する水の付加が級数の大きい、より安定なラジカル種を与えるように進行することを利用して位置選択性を制御している。しかし、比較的酸化電位の低いスチレン誘導体でしか反応が効率よく進行せず、基質一般性に課題を残している。そこで私はスチレン誘導体に限らず、脂肪族を含む様々なアルケンに適用できるanti-Markovnikov 型水和反応の開発を目指している。 アルケンを一電子酸化する触媒として様々な遷移金属触媒を検討したところ、銅触媒存在下で可視光を照射すると、スチレン誘導体のanti-Markovnikov型水和反応が進行することを見出した。すなわち、4-tert-ブチルスチレン(1, 0.30 mmol)に対し、塩化銅(Ⅱ)bathophenanthroline錯体 (5.0 mol %)、3,4-ジメトキシベンゼンチオール(20 mol %)を加え、アセトニトリル/水溶媒中、可視光を照射したところ、目的生成物を収率54%で得た
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルケンを一電子酸化する触媒として様々な遷移金属触媒を検討したところ、銅触媒存在下で可視光を照射すると、スチレン誘導体ではあるが、水和反応は進行する、新しい触媒系を見出すことができたため
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、見出した銅触媒水和反応の有用性を示すために基質適用範囲の調査を行い、銅触媒の酸化還元電位を測定するなどして反応機構の解明に取り組む。また脂肪族アルケンのanti-Markovnikov 型水和反応が進行する反応条件の検討も引き続き行う。
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Causes of Carryover |
研究の方は順調に進んでいるが、コロナ禍の影響で、学生さんが登校できない時期もあり、当初計画していたほど、使用額が抑えられた。最近では、コロナ禍の影響で、学生さんが登校できないということはなくなったので、計画通り、使用できると考えている。
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Research Products
(1 results)