2022 Fiscal Year Research-status Report
Synthesis of an optically active carbon nanocrown and its application to a molecular clip
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22K19035
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
神川 憲 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40316021)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ヘリセン / トリプチセン / キラルナノカーボン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、6つのキラル[7]ヘリセン構造から成る王冠状キラル分子、カーボンナノクラウンの創製を計画し、その合成を検討した。この1は、代表的な三次元ビルディングブロックであるトリプチセンとヘリセンを組み合わせることでヘリセンのもつ螺旋状にねじれた π 共役構造を、歯車状に配置・展開した新たなキラルトリプチセンユニットをさらに三量化による集積を行うことで得られると考えれる。さらに、その構造的な特徴として、中央のトリフェニレン骨格を挟んで上下方向にそれぞれ3つのヘリセンに囲まれたキラル空孔を有する。また、一分子中に6つのヘリセンを集積させることによるキラル光学特性についても興味が持たれた。カーボンナノクラウンの合成における鍵中間体となるダブルヘリセニルトリプチセンを合成するにあたり、π拡張 [7]ヘリセンの合成を行なった。9,10-ジブロモ[7]ヘリセンを用いたAryne Diels-Alder反応、続くRetro Diels-Alder反応によりフラン融着[7]ヘリセン を92%で合成した。これに、1,2-dibromo-4,5-dimethoxybenzene と n-BuLi から発生させたアラインを用いて、さらに芳香環化を行うことによりπ拡張 [7]ヘリセン を得た。ヘリセニルアライン前駆体に対してフッ化セシウムを作用させ、系中で発生させた[7]ヘリセニルアラインをアントラセン融着[7]ヘリセン3に対してDiels-Alder反応を行うことにより、ダブル[7]ヘリセニルトリプチセンを14%で合成することに成功した。最後に、このダブル[7]ヘリセニルトリプチセンを山本カップリングを行うことで、目的とするカーボンナノクラウンを微量ながら得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
合成上の困難さが想定された目的のカーボンナノクラウンを1年足らずで合成することに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回合成に成功したカーボンナノクラウンは微量であるため、さまざまな物理的性質を測定するに至っておらず、今後は物理データーの取得が課題となっている。そのため、合成ルートや反応条件の最適化を行い収率の向上を図るとともに、さまざまな必要とされる物理データーの取得を進めていくことを計画している。さらに、目的の化合物が合成できることを確認できたので、光学活性なカーボンナノクラウンの合成に着手することを計画している。
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Causes of Carryover |
今年度は、目的の化合物が合成できた場合に必要となる高額な試薬購入のために、使用を控えた。目的物の合成が達成できたので次年度請求助成金と合わせて高額な試薬の購入を計画している。
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Research Products
(16 results)