2022 Fiscal Year Research-status Report
超分子型ポルフィリノイド分子組織をベースにした新奇高反応性cPCET活性種の探索
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22K19045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 泰之 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 准教授 (10385552)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | メタン / 酸化触媒 / cPCET / オキソ種 / 超分子触媒 / ポルフィリン / フタロシアニン / ロタキサン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我々が最近合成に成功した超分子型高反応性cPCET活性種の構造をベースにして、新奇な構造を持つ高反応性cPCET活性種を創製し、メタン資源化に資する触媒反応を開発することである。我々が合成した超分子型高反応性cPCET活性種の基本的な構造は、4重のロタキサン構造で連結されたポルフィリンーフタロシアニンface-to-faceヘテロ二量体内に構築した窒素架橋鉄フタロシアニン二量体オキソ種(超分子型オキソ種)である。 本年度は、触媒の原料となる4重ロタキサン型ポルフィリンーフタロシアニンface-to-faceヘテロ二量体および、その金属錯体の合成を進めた。これまでに合成が完了して、メタン酸化触媒活性やイオン性会合体形成によるスタッキング構造の拡張を試すための準備が整った錯体は窒素架橋鉄二核錯体および酸素架橋鉄二核錯体である。 さらに、超分子型オキソ種の高反応性の由来を解明すべく、ロタキサン構造を持たない窒素架橋鉄フタロシアニンー鉄ポルフィリンヘテロ二量体を合成し、過酸化水素を過剰量含む酸性水溶液中において、そのオキソ種を生成させて、メタン酸化触媒反応活性を評価した。その結果、窒素架橋鉄ポルフィリンー鉄フタロシアニンヘテロ二量体の触媒活性は、類似の構造を持つ窒素架橋鉄フタロシアニンホモ二量体と比較すると明確に低いことが明らかになった。この知見は、ポルフィリノイド環の種類によってメタン酸化触媒活性が大きく変化することを示しており、今後、超分子型高反応性cPCET活性種の開発を進める上でも有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にものべたとおり、本年度は、超分子型高反応性cPCET活性種構築の基本骨格となる、4重ロタキサン構造により連結されたポルフィリンーフタロシアニンface-to-faceヘテロ二量体およびその金属錯体の合成を進めた。金属錯体としては、窒素架橋鉄二核錯体および酸素架橋鉄二核錯体の合成が完了している状況である。 さらに、現有の超分子型高反応性cPCET活性種(4重ロタキサン型ポルフィリンーフタロシアニンface-to-faceヘテロ二量体内に構築した窒素架橋鉄二核錯体オキソ種)が高いメタン酸化触媒活性を持つ原因を探索すべく、よりシンプルな構造を持つモデル錯体(側鎖ロタキサン構造をもたない窒素架橋鉄ポルフィリンー鉄フタロシアニンヘテロ二量体)を合成し、そのメタン酸化触媒活性を評価した結果、窒素架橋鉄ポルフィリンー鉄フタロシアニンヘテロ二量体オキソ種のメタン酸化活性は類似の構造を持つ窒素架橋鉄フタロシアニンホモ二量体オキソ種よりも低いことが分かった。 本研究は触媒骨格の合成に労力と時間を必要とすること、およびモデル錯体を用いた新たな知見を得たことを考えると、現在までのところ合成は概ね順調であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年も引き続き4重ロタキサン構造により連結されたポルフィリンーフタロシアニンface-to-faceヘテロ二量体およびその金属錯体の合成を進めるとともに、すでに合成した窒素架橋鉄二核錯体に関しては、イオン性会合体形成を利用したスタッキング構造の拡張を進めていく。さらに、酸素架橋鉄二核錯体に関しては、いままでにメタン酸化触媒活性を評価していないため、この活性評価も進めるとともに、イオン性会合体形成反応による触媒活性の変化を評価する予定である。合成に成功した新奇な超分子錯体については、順次メタン酸化触媒活性の評価を行っていく。 さらに、前年度モデル錯体の研究で得られた知見を活用すべく、4重ロタキサン構造で連結された窒素架橋鉄フタロシアニンホモ二量体の構築についても、可能かどうかの検討を始めることとする。
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Causes of Carryover |
合成試薬の購入費を次年度に繰り越したことに加え、以前より使用していたGC-MS用キャピラリーカラムが予定よりも劣化が少なかったことから、購入を次年度に持ち越した。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Stacking of a Cofacially Stacked Iron Phthalocyanine Dimer on Graphite Achieved High Catalytic CH4 Oxidation Activity Comparable to That of pMMO2023
Author(s)
Yasuyuki Yamada,* Kentaro Morita, Takuya Sugiura, Yuka Toyoda, Nozomi Mihara, Masanari Nagasaka, Hikaru Takaya, Kiyohisa Tanaka, Takanori Koitaya, Naoki Nakatani, Hiroko Ariga-Miwa, Satoru Takakusagi, Yutaka Hitomi, Toshiji Kudo, Yuta Tsuji, Kazunari Yoshizawa, and Kentaro Tanaka*
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Journal Title
JACS Au
Volume: 3
Pages: 823-833
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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