2022 Fiscal Year Research-status Report
グラフトポリマーディスク:新規膜タンパク質解析プラットフォーム
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22K19057
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
西村 智貴 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (60648070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 満 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (70737460)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | グラフトポリマー / 自己組織化 / ナノディスク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、両親媒性グラフトポリマーを基盤とした簡便なナノディスク作製法の構築、無細胞タンパク質合成を用いたナノディスクへの膜タンパク質の直接組み込み法を確立する。これにより、既存の膜タンパク質可溶化法の問題点を解決した新しい膜タンパク質構造解析ツールを創出することを目的とした。本年度は、温度応答性グラフトポリマーを基盤としたナノディスクの創製を行った。具体的には、ノニオン性高分子を主鎖、側鎖としてpoly(propylene oxide)を有するグラフトポリマーを合成した後、無水コハク酸などで処理することで、アニオン性グラフトポリマーを得た。この際、無水コハク酸の添加量を調整することにより、修飾量・表面電荷の制御が可能であることが判明した。また、得られたポリマーの自己組織化挙動を調べたところ、修飾量に依存して、ディスクを含む種々の自己組織化体を得ることができることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初の計画通り温度応答性グラフトポリマーを基盤としたナノディスクの作成を目的とした。研究実績の概要にも記載したとおり、目的のグラフトポリマーを得ることができており、また修飾量に依存して種々の自己組織化体も作り分けることにも成功しており、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度得られたナノディスクを含めた自己組織化体の存在下で、無細胞タンパク質合成を行い、膜タンパク質の可溶化が可能であるか評価を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、目的のグラフトポリマー集合体を得るために、種々の側鎖修飾率のグラフトポリマーの合成を行った。この際、予備検討用に少量購入した試薬類を使用してグラフトポリマー類を小スケールで合成したために、物品費に差異が生じた。本年度の実験で合成系が確立できたことから、本年度の予算予定であった予算を使用して、大スケールでグラフトポリマー類を合成する予定である。
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