2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K19103
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 智 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70785229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 浩之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30274434)
三浦 一輝 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70825330)
盛田 大輝 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80881929)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | MRI / 酸化鉄ナノ粒子 / 神経活動記録 / プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究で、神経活動時に放出されるシグナル伝達因子に応答する磁性ナノプローブの開発に成功している。本プローブは、MRI造影剤として用いられる磁性ナノ粒子表面に、シグナル因子と特異的に結合するリガンドペプチドが結合した構造を有する。シグナル伝達因子が存在すると、プローブが凝集することで、プローブのNMR横緩和時間(T2)短縮効率が増大する。また、プローブは、哺乳類細胞に対する顕著な細胞毒性を有さないことがわかっている。本年度は、マウス海馬および初代培養神経細胞のライセートを用いて、プローブの応答性を評価した。マウスにカイニン酸を投与した後、抽出した海馬のライセートを調製し、シグナル伝達因子濃度をELISAにより定量した。その結果、投与後の時間経過とともに濃度が上昇し、そこにプローブを供することでT2が濃度依存的に短縮することがわかった。さらに、マウス大脳皮質より初代培養神経細胞を調製し、KCl神経刺激を行った後、ライセートを調製し、ELISAおよびT2測定を行った。その結果、海馬ライセートを用いた実験と同様に、伝達因子濃度依存的にT2が短縮した。プローブの脳内投与条件を最適化するため、プローブを海馬歯状回に投与し、T2強調MRIを撮像し3次元画像を構築すると、海馬周辺において投与量とほぼ同じ体積の脳組織でMRI信号が低下した。以上から、本プローブを用いることで、脳内でシグナル伝達因子を検出可能であることが示唆された。
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Research Products
(15 results)