2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of 3D skeleton compound library targeting protein-protein interaction
Project/Area Number |
22K19104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 浩之 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (30274434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 智 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (70785229)
三浦 一輝 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (70825330)
盛田 大輝 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (80881929)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / α-ヘリックス / HSP90 / 低酸素郵送因子 / 3次元骨格分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くのタンパク質間相互作用(PPI)界面を形成する部分立体構造に着眼し、そのヘリックスを模倣する籠型3D骨格低分子の創出することを目的に研究を進めた。 令和5年度は、ビシクロ[3.3.1]ノナンの効率的な合成法を開発した。ビシクロ[3.3.1]ノナンは、2つの縮合した6員環からなるsp3炭素リッチな3次元足場である。合成したビシクロ[3.3.1]ノナノールのうち、いくつかのビシクロ[3.3.1]ノナン誘導体が低酸素誘導因子-1(HIF-1)による遺伝子転写を阻害することがわかった。構造活性相関研究の結果、ビシクロ[3.3.1]ノナノール中の疎水性官能基の数とカルボン酸部位が、HIF-1による遺伝子転写阻害活性と細胞増殖阻害活性の両方に重要であることが明らかになった。ビシクロ[3.3.1]ノナノールは、細胞にヒートショック応答を誘導することなく、熱ショックタンパク質(HSP)90のクライアントタンパク質の量を変動させ、HSP90のATPase活性を特異的に阻害した。これらの結果は、ビシクロ[3.3.1]ノナノールが従来のHSP90阻害剤とは異なる作用機序を持つ新規なHSP90阻害剤であることを示している。 さらに、HIF-1による遺伝子転写を阻害する化合物群から、HSP90とヒートショックファクター1(HSF1)の相互作用を阻害する化合物を見出した。詳細な検討の結果、本化合物はHSF1タンパク質の安定性を低下させることで、ヒートショックタンパク質の転写を抑制する新規作用機序を持つ化合物であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、PPI阻害剤のアッセイ系を構築することを達成しただけでなく、細胞にヒートショック応答を誘導することなく、熱ショックタンパク質(HSP)90のクライアントタンパク質の量を変動させ、HSP90のATPase活性を特異的に阻害する化合物を見出したことから、予定以上に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、オートファジーを阻害する籠型3次元骨格分子の開発を精力的に進めており、論文発表に向けてデータをまとめている。また、他機関の研究者との共同研究も進めており、新たなPPI阻害剤の開発のための研究費の申請を進めている。最終的には、バイオ医薬品から低分子医薬品へのパラダイムシフトを指向した研究へと展開する。
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Causes of Carryover |
今後の研究の推進方策にも記載したように、現在、オートファジーを阻害する籠型3次元骨格分子の開発を精力的に進めており、論文発表に向けてデータをまとめている。そのための、再現性実験などに経費を計上したため、「次年度使用額」が生じた。
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Research Products
(15 results)