2023 Fiscal Year Annual Research Report
個体内細胞操作を革新するin vivoケモジェネティクスツールの開発
Project/Area Number |
22K19109
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
築地 真也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40359659)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ケモジェネティクス / in vivo / 局在スイッチ / 承認薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスなどの動物の体の中で細胞機能を操作する技術は、in vivoの生命現象や疾患のメカニズム解明のための強力な基盤技術となる。本研究では、細胞内の狙った特定のシグナル分子やシグナル経路を動物個体内で人為的に制御するin vivoケモジェネティクスツールを開発することを目的とする。今年度は昨年度に引き続き、特定の薬剤(承認薬)に応答してタンパク質の迅速な局在移行を誘導することのできる「薬剤応答性局在スイッチドメイン」の創製と改良・最適化に取り組んだ。異なる細胞膜ターゲティング配列の使用も含め、新たにコンストラクトを複数作成し、培養細胞を用いた評価を行なった。薬剤の非存在下では細胞質局在を示し、薬剤の培地添加に応答して細胞膜へ移行する薬剤応答性局在スイッチドメインをいくつか得ることができた。しかし、これらのドメインは依然として発現量依存性が高く、また比較的高濃度の薬剤添加が必要なことが明らかとなった。そのため、初期状態では細胞質局在を示し、より低濃度の薬剤に応答して細胞膜移行を示すコンストラクトへのさらなる改良を進めている。 また、本年度は別のアプローチとして、研究代表者のグループがこれまで進めてきたタンパク質局在制御化合物の方法論のin vivo応用も検討した。in vivoでの使用に適したタンパク質局在制御化合物(局在性リガンド)を新たに開発し、またそれとペアとなるタグタンパク質の最適化を行うことで、in vivoでのタンパク質局在移行誘導が可能な新規ケモジェネティクスツールを創製することに成功した。このツールを用いることで、マウス個体内でのシグナル操作が行えることも実証した。
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