2022 Fiscal Year Research-status Report
Modulation of Membrane Protein Dynamics by Glycan-Galectin Interaction
Project/Area Number |
22K19112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
樺山 一哉 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (00399974)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 糖鎖 / ガレクチン / HaloTag / 膜タンパク質 / 内在化 / ライブセルイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、細胞外ドメインにHaloTagを融合した膜タンパク質を発現させるためのプラスミドを構築し、膜上での発現を確認した。現在、HaloTagを融合タンパク質の安定発現株の作製に手間取っており、再検討を実施中である。回避策として、このHaloTag発現細胞(一過性発現)に、蛍光プローブを導入した合成糖鎖を結合させたHaloTagリガンド(7糖、9糖、12糖)を添加し、合成糖鎖提示細胞を作製し評価に用いた。上記細胞に対して、ガレクチンを代表とする各種レクチンを作用させることで、糖鎖構造の異なる各HaloTag融合膜タンパク質がどのような挙動を示すか、共焦点走査型蛍光顕微鏡でイメージング解析を実施した。 解析手法には細胞内の輝点計測ならびにFRAP法、1粒子追尾法による側方拡散解析を行った。本研究で用いるHaloTagリガンドは糖鎖の数が増えるほどガレクチンへの結合能が向上することが知られており、これまでに側方拡散の制御を実証していた。今回、上記リガンドを結合させた膜タンパク質はガレクチンの存在下で、内在化にある程度の差が生じることが実証された。すなわち、ガレクチンと相互作用を示す合成糖鎖を導入した膜タンパク質の精密な内在化抑制を確認した。また、顕微鏡によるイメージング解析と併せて、フローサイトメトリーによる細胞膜タンパク質の発現量変化を測定した(一過性発現細胞株による先行的検証)。本検討は現在至適条件を確定中である。また、当研究室で合成された糖鎖結合HaloTag リガンドにはテトラメチルローダミンが導入されているため、今後フローサイトメトリーにおいてこの蛍光プローブを検出できるレーザーの導入も検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ガレクチンによる、合成糖鎖を導入した膜タンパク質の動態解析の系は概ね構築が完了した。現在、HaloTagを融合タンパク質の安定発現株の作製に手間取っており、再検討を実施中である。これが完了した後には、速やかにデータ取得を実施する。研究実績にも記載したように、一過性発現細胞においては、先行的におおむね良い結果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
フローサイトメトリーによる測定には安定発現株の構築が必要であることから、安定発現株の作製を優先的に実施する。尚、本研究計画はイメージング解析のみでも実証は可能ではあるため、計画時期を鑑みて、適宜検討とデータ確定を進めていく。
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