2022 Fiscal Year Research-status Report
Challenges to create natural product-drug conjugate starting from screening of natural products that bind to membrane proteins
Project/Area Number |
22K19115
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松森 信明 九州大学, 理学研究院, 教授 (50314357)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 膜タンパク質 / 天然物 / 親和性 / 薬物 |
Outline of Annual Research Achievements |
化合物ライブラリーを利用した創薬研究は、目的とする生理活性を有する化合物をいかに探索するかに主眼が置かれてきた。本提案では生理活性を指標とせず、標的膜タンパク質との強い親和性を有する天然物を探索する。ここで代表者の開発した膜タンパク質親和性天然物探索法を活用する。このようにして得られた天然物を起点として、その親和性を保ちつつ、抗体-薬物複合体のように低分子薬剤を結合させる。これにより、高い標的特異性と薬理活性を併せ持つ画期的な新薬を開発する創薬戦略を提案する。このように本研究は、申請者の開発した独自技術を起点とした「天然物-薬物複合体」医薬の創成と、それに基づく新たな創薬分野開拓を目指す。 これまで、金ナノ粒子表面を薄い脂質膜で被覆し、ここに膜タンパク質を安定的に固定化する技術を確立した。現時点では膜タンパク質として好塩菌由来のバクテリオロドプシンや放線菌由来のカリウムチャネルKcsAを用いて検討を行った。さらにこれを天然物の混合物に作用させ、親和性の高い天然物をプルダウンし、LC-MSで検出するまでの実験スキームを完成した。これにより創薬ターゲットとして重要な膜タンパク質に親和性の高い天然物の探索の目途を立てることができた。 同時に、金ナノ粒子の赤色を利用した膜タンパク質親和性天然物の検出法も新たに開発した。これを用いることで、マイクロプレート上の天然物ライブラリーを用いた探索が容易になると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述のように、これまで、金ナノ粒子表面を薄い脂質膜で被覆し、ここに膜タンパク質を安定的に固定化する技術を確立した。現時点では膜タンパク質としてバクテリオロドプシンや放線菌由来のカリウムチャネルKcsAを用いて検討を行っている。さらにこれを天然物の抽出液に作用させ、親和性の高い天然物をプルダウンし、LC-MSで検出するまでの実験スキームを完成させることができた。これにより創薬ターゲットとして重要な膜タンパク質に対して親和性の高い天然物の探索の目途が立った。 同時に、金ナノ粒子の赤色を利用した膜タンパク質親和性天然物の検出法も新たに開発した。上記の金ナノ粒子固体化膜タンパク質をマイクロプレート上の天然物ライブラリーに作用させることで、親和性の高い天然物を赤色として検出でき、この探索が容易になると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず方法論の妥当性を示すために、上記のKcsAに結合する天然物を取得し、これと既知のKcsA阻害剤であるテトラブチルアンモニウムを化学的に結合させることで、親和性と阻害能を併せ持つ化合物の創出を行う。次に膜タンパク質として腫瘍細胞特異的に発現するHER2を用い、これを金ナノ粒子に固定化することで、HER2に結合する天然物を探索し、これに既知の抗がん剤を結合させ、天然物薬物複合体を調製する。
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Causes of Carryover |
今年度は高額なリコンビナントHER2や抗がん剤を使用した研究は行わなかったため、その分物品費の使用額が減少した。次年度にはこの購入と関連した実験を行う予定である。
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Research Products
(14 results)