2023 Fiscal Year Research-status Report
生物間相互作用の視点から解き明かす植物特化代謝物難分解性配糖体の生物学的役割
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22K19123
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 亨 東北大学, 工学研究科, 教授 (80268523)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ゴマリグナン / β-グルコシダーゼ / セサミノール |
Outline of Annual Research Achievements |
ゴマのゲノムデータ及びゴマ種子におけるコンティグ配列データを用いた網羅的解析により,グリコシドヒドロラーゼファミリー1(GH1;植物特化代謝産物配糖体を加水分解するβ-グルコシダーゼを多く含む)およびGH3(既往の細菌セサミノール配糖体分解酵素を含む)に属する16種類の候補遺伝子を選抜した.これらの候補遺伝子のそれぞれを,大腸菌を宿主として異種発現させ,発現産物の酵素活性を評価した.しかしながら,選抜された候補遺伝子の発現産物の中には,セサミノールトリグルコシド(STG)分解能を示すものは見出されなかった.ゴマ種子においては,発芽後1日目までは配糖体化活性が顕著であり,特にセサミノールモノグルコシド(SMG)からセサミノールジグルコシドβ(1→2) (2SDG)への変換活性が最も高い.これ対して,β-グルコシダーゼ活性は発芽後3日目のゴマ種子において最も強く,β(1→6) 結合加水分解活性 [STGから2SDGを生成する活性と,セサミノールジグルコシドβ(1→6) (6SDG)からSMGを生成す活性] のみが存在する.そこでこの活性の推移に基づいて,ゴマ種子中においてβ(1→6) 結合の分解を司るβ-グルコシダーゼ活性の単離を試みた.STG分解活性を指標としてゴマ種子の粗酵素液から,各種のカラムクロマトグラフィーを用いて同酵素活性の本体となるタンパク質を精製した.最終精製ステップ(ヒドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー)後の活性画分に対してプロテアーゼ処理を行い,得られたペプチドをLC-MSMS分析に供した.得られた結果をゴマのゲノムデータベースの発現遺伝子リストと参照した結果.候補遺伝子SiBGL9が同定された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本課題の実施に関わる研究棟の改修工事の大幅な遅延により,研究の遅延を余儀なくされている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究棟の改修工事の完了後,速やかに研究を再開し,遂行させる.
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Causes of Carryover |
本課題の実施に関わる研究棟の改修工事の大幅な遅延により,研究の遂行が困難であった.研究棟の改修工事終了の目処(2024年秋以降)が立てば,速やかに予算執行する.
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