2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a method for searching novel reactive sulfur species in foods
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22K19159
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
居原 秀 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 教授 (60254447)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 活性硫黄分子 / アルキル化剤補足法 / 含硫食品 / HPLC-MS/MS / TME-IAM |
Outline of Annual Research Achievements |
古くからニンニクなどの含硫食品には、様々な薬理効果があることが知られている。しかし薬理効果の活性本体、作用機構に関しては不明な点が多い。食品中には、従来の方法では解析が困難な不安定な未知の硫黄化合物が多数存在している。応募者らは、不安定で活性な硫黄化合物(活性硫黄分子:RSS)を同定し、高等動物における硫黄に依存したエネルギー代謝(硫黄呼吸)が行われていることを明らかにした。さらにRSSが、抗酸化作用、レドックスシグナル制御、ミトコンドリア品質管理、疾患の発症、予防などに関与していることを示してきた。高等動物において硫黄、RSSの供給源は食品なので、食品中のRSSの存在様式を科学的に評価することが重要である。本申請研究では、食品中に含まれる硫黄、RSSの定量法および、未知RSSの網羅的探索法を確立することを目的としている。 2022年度は、野菜に含まれる硫黄、RSS総量および高反応性RSS量の定量的検出法を確立し、22種類の野菜に含まれる硫黄、RSS総量および高反応性RSS量を報告した(Food Chem, 2023)。さらに多数の食品中の硫黄、RSS総量および高反応性RSS量を定量している。 また解析の中でブロッコリースプラウトにRSSが多量に含まれることを見出した。ブロッコリースプラウトのRSSは、発芽とともに増加し、栽培5日目まで増加し続けた。さらに申請者が開発したRSS解析に特化した新規アルキル化剤(N-iodoacetyl L-tyrosine methyl ester:TME-IAM)を用いたターゲッティング及びノンターゲティングポリスルフィドミクス解析法を確立し、システインポリスルフィドが大量に産生していること、40種類以上の新規のRSSが産生していることを明らかにした(Redox Biology, in revision)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である、食品中に含まれる硫黄、RSSの定量法および、未知RSSの網羅的探索法を確立することができ、Food Chem誌に掲載された。また、Redox Biology誌にもrevision中であり、2023年度中には、掲載されると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に開発した方法を用いて、さらに多くの食品の解析行うとともに、新規RSSの同定に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度に計画していた安定同位体を用いる実験が他の実験の進捗の影響で、2023年度に行うことになり、2022年度しよう予定であった安定同位体物質購入費が、2023年度に使用することになったため。 2023年度に安定同位体物質を購入し、2022年度に予定していた実験を行い、本研究を完遂する。
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