2023 Fiscal Year Research-status Report
日和見感染で害虫防除:基礎免疫能力を低下させる殺虫剤開発
Project/Area Number |
22K19165
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
古川 誠一 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (10391583)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 日和見感染 / メラニン化阻害 / セリンプロテアーゼインヒビター / レクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
昆虫は、絶えず病原微生物による攻撃を受けていることが予想されるものの、強力な免疫システムにより、それらを排除することで生存している。しかし、その免疫システムに干渉することで、免疫能力を低下させ、日和見感染を誘発させることが可能である。本研究は、免疫能力を低下させる因子として、寄生性昆虫であるヤドリバエに由来する、昆虫免疫の一種であるメラニン化を阻害するプロテアーゼインヒビターを、害虫にその因子を導入するツールとして植物由来レクチンとバキュロウイルスを利用して、新規殺虫剤の開発を試みるものである。 本年度は、ヤドリバエが寄主昆虫に寄生したときに分泌することが示唆されるプロテアーゼインヒビターと、摂食したプロテアーゼインヒビターを中腸内から体液中に輸送するレクチンタンパク質をバキュロウイルス系により発現させた。またこれらを融合タンパク質として発現させるバキュミドベクターも構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
バキュロウイルスを利用したタンパク質発現を実施しているが、機能解析に十分なタンパク質量が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
バキュロウイルスに感染した昆虫培養細胞の培養条件を検討することで、タンパク質発現に最適な条件を見出し、発現タンパク質の機能解析を速やかに実施する。
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Causes of Carryover |
計画では、発現タンパク質を封入したバキュロウイルスの包埋体を作成する予定であったが、タンパク質の発現が予定通りに進まなかったため、この費用を次年度に回す必要が生じた。
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