2023 Fiscal Year Annual Research Report
フロリゲンの転写活性化能を制御する化合物による花成制御
Project/Area Number |
22K19184
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
辻 寛之 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (40437512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児嶋 長次郎 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (50333563)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | フロリゲン / 化合物 / 花成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、フロリゲン活性化複合体の機能を直接的に制御する化合物を発見してその作用機序を理解することである。植物の花芽分化はフロリゲン(正体はFT/Hd3aタンパク質)によって強力に誘導される。フロリゲンは葉で合成された後に茎頂メリステム(shoot apical meristem, SAM)に輸送されて機能する。フロリゲンはSAMの細胞内で受容体である14-3-3タンパク質及びbZIP型転写因子FDと相互作用して「フロリゲン活性化複合体 (florigen activtion complex, FAC)」と呼ばれる転写複合体を形成して機能する。FACの形成で使用されるタンパク質間相互作用を阻害もしくは促進/安定化する化合物は、FACの機能を直接的に制御する化合物として利用が期待できる。本研究では、ハイスループットFAC相互作用化合物スクリーニング、FACの細胞内再構築系、FACの機能解析系など独自の実験系を活用して、機能的な化合物の探索を実施した。その結果、FACの形成を阻害する化合物として2つのヒット化合物を見出した。これらの化合物はFACの形成と機能をin vitro, in vivo, in plantaで阻害した。本年度は化合物のスクリーニングと解析を継続し、FACの機能を強化する化合物の候補を得た。これらはin vitroにおけるFAC形成を強化していた。さらにFACの機能が液-液相分離 (liquid-liquid phase separation, LLPS)を介して発揮されることを見出した。そこで、FACのLLPSを新たな指標として、これを撹乱する化合物の探索を実施した。
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