2022 Fiscal Year Research-status Report
植物で最も動的な花弁運動に着目したバラ科樹木の開花日制御機構の解明
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22K19192
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Research Institution | Kazusa DNA Research Institute |
Principal Investigator |
白澤 健太 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 主任研究員 (60527026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板井 章浩 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10252876)
江角 智也 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (30548764)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | サクラ / トランスクリプトーム解析 / 開花日 |
Outline of Annual Research Achievements |
トランスクリプトームデータの収集の効率化を図るためにRNAの抽出法を比較検討し、多検体から短時間でRNAを簡易抽出する方法を確立した。この方法で「ソメイヨシノ」の複数年次のつぼみからRNAを抽出し、経時的なトランスクリプトームのデータを収集した。 また、全国の「ソメイヨシノ」の全ゲノム解析を通して、同じ「ソメイヨシノ」であっても体細胞突然変異によりゲノムの塩基配列にわずかな違いがあること、そしてその一部は遺伝子機能に影響を及ぼす可能性が高いことを見出した。遺伝的に均一だと考えられている「ソメイヨシノ」において、このような体細胞突然変異は遺伝的なノイズとなりうる。 さらに遺伝背景の異なるサクラ品種の開花制御機構を探るために遺伝解析集団を作成し、開花日関連遺伝子の特定に向けた遺伝解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サクラの開花制御に関する遺伝子の特定に向けて、経時的トランスクリプトーム解析、ゲノム解析、および遺伝解析を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
千葉、京都、島根の3地点の「ソメイヨシノ」と「河津桜」の複数年次のつぼみの経時的トランスクリプトーム解析、遺伝的に均一だと考えられている「ソメイヨシノ」ゲノム解析、および遺伝背景の異なるサクラ品種遺伝解析を実施し、サクラの品種系統群における遺伝背景・環境に影響されない真の開花日関連遺伝子を明らかにし、これらの遺伝子の表現型への寄与の推定と、時間と種を跨ぐ共発現ネットワーク解析によるバラ科樹木における開花日関連遺伝子を解明する。
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Causes of Carryover |
支払日が到来しなかったため。
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