2023 Fiscal Year Annual Research Report
Polyester degradation by novel lipases from Basidiomycetes
Project/Area Number |
22K19195
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀 千明 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (50722948)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 高分子分解 / 木材腐朽菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自然界で樹木分解として獲得された担子菌が保有する卓越した難分解性ポリマー分解能力を、合成ポリマーのポリエステル分解へと適応化させること を想定した探索的萌芽研究である。これまで申請者は、樹木の多様化に合わせて、長い進化の過程で、担子菌は多様なポリマー分解機構を獲得してきたことを明らかにした。その過程で、針葉樹分解へと進化した珍しい担子菌Phlebiopsis giganteaから針葉樹に多く含まれる脂質類を分解する新規高機能性リパーゼを同定・特徴解析した(Hori et al. PLoS Genet. 2014; Iwata et al. Sci. Rep. 2021*責任著者;堀 千明,特許出願2021-024557)。本研究では、本酵素が合成ポリマーのエステル結合を分解するかを検討し、さらに生産条件を検討することで高生産することを目標としている。 本年度は、種々のポリエステルと本酵素を反応させ、反応物解析を行うことで分解活性を測定した。さらに、商業的リパーゼについても分解活性を測定し、本酵素と比較した。その結果、本酵素が高いポリエステル分解活性を保持することを明らかにした。さらに、本酵素の生産条件や精製条件を検討した結果、生産が高く、精製度が高い条件を明らかにすることができた。今後は、本酵素を対象として、基質特異性や高活性化、安定化を付与することでさらに高機能化することができると考えられる。プラスチック分解への高まる背景を受け、重要な研究であると考えらえる。
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