2022 Fiscal Year Research-status Report
ため池の水難事故の危険度評価と脱出補助対策に関する研究
Project/Area Number |
22K19231
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
堀 俊和 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 研究領域長 (20414451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 敬資 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (60414455)
廣瀬 裕一 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 上級研究員 (40399366)
泉 明良 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, 主任研究員 (10782203)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | ため池 / 水難事故 / すべり抵抗係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究所内の模型水槽に、材質や勾配の異なるため池斜面を作成し、14人の研究対象者においてため池の這い上がり実験を行った。表面遮水シート・土斜面の急勾配では殆どの研究対象者が登れず、表面加工シート・土斜面の緩勾配やブロックマット・張ブロックなど足がかかる斜面では全員が這い上がれた。這い上がり率(各区分での這い上がった人数の割合)は、身長が高かったり、年齢が低かったりすると大きかった。這い上がり実験で使用した靴のすべり抵抗係数は、湛水させた状態(約3mm 水深)では①土、②表面遮水シート、③コンクリート(張ブロックの平の部分)、④表面加工シートの順で小さく、這い上がった人数の少ない順と同じであった。コンクリートは表面加工シートよりすべり抵抗係数が小さいが、張ブロックでは足をかけられたことにより全員登れたと考えられた。斜面ごとの力の関係を考えた場合、斜面垂直力にすべり抵抗係数を掛けた値を斜面方向力で割った値が大きいほど這い上がり率が高かった。ため池の模型斜面における這い上がり時のデータは今まで取られたことがなく、倫理審査委員会の審査を受け実施できたことは、今後のため池の人を対象とした実験を行う上で、意義が大きい。また、本実験は、ドライスーツを着用したためある程度浮力が働いていたり、実際の斜面にはコケ等が生えていたりするため、実際の条件と異なる可能性はあるものの、足をかけられない斜面の場合は這い上がれない場合があること、材料毎のすべり抵抗係数と斜面傾斜から脱出困難度を評価できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、人を対象とした這い上がり実験を実施し、材料毎のすべり抵抗係数と斜面傾斜から脱出困難度を評価できることが示唆され、ため池の脱出困難度の評価手法の開発に向けて順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な上流斜面の形式、勾配に応じて、脱出補助対策の効果を定量的に評価する手法の開発を行う。脱出補助対策として、つかまって這い上がるための上流斜面ネットや突起のついたブロック、単なるロープなどを想定し、研究対象者による実験を行い、これらの対策の定量的な効果を評価する。
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Causes of Carryover |
実験補助は模型作成と一緒に実施したほうが効率がいいことから、所内経費で模型作成業務と一緒に発注したこと、兵庫県との打合せはWEBを活用したこと、研究対象者を機構職員とすることにより謝金を節約したこと、により次年度使用額が発生した。今年度は脱出補助対策効果の定量化に関する実験を行うことにあたり、昨年度の結果を踏まえて、実験模型の改修を行う必要があり、そのために使用する。
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Research Products
(1 results)