2023 Fiscal Year Research-status Report
受容体GPR75を介した過食・肥満の新規メカニズム解明と抗肥満薬シーズの探索
Project/Area Number |
22K19245
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上野山 賀久 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70324382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 綾人 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (10512428)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | 過食 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、先行研究において抗過食・抗肥満薬の標的となる可能性を見いだしたGタンパク質共役受容体GPR75を介した過食・肥満のメカニズムを解明し、さらに、生殖機能に全く毒性を示さない抗過食・抗肥満薬のシーズとなるGPR75拮抗剤を探索することである。そのため、モデル動物であるラットを用いて、高脂肪食による過食や肥満におけるGPR75シグナリングの役割について検討した。 高脂肪食あるいは通常食を給与したラットから、脳、脂肪、肝臓などの様々な臓器を採取し、過食、肥満、糖・脂質の代謝異常に関わる候補因子の遺伝子発現を検討し、過食、肥満、糖・脂質の代謝異常の原因遺伝子の候補を複数見出した。これにより、GPR75の拮抗剤が、抗過食・抗肥満薬のシーズとなることを示唆した。 また、HEK293細胞にラットGPR75を強制発現させ、GPCR活性化測定法 (TGFa切断アッセイ) により、GPR75作動薬・拮抗薬を探索した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高脂肪食の過食、肥満、糖・脂質の代謝異常に関わる候補遺伝子の探索および、GPR75作動薬および拮抗薬探索について、以下の成果を得たことから、おおむね順調に進展していると考える。 1) 高脂肪食による過食・肥満を惹起する候補神経ペプチドを見出した。 2) 脂肪・肝臓において、高脂肪食による糖・脂質の代謝異常に関わる候補分子を見出した。 3) GPCR活性化測定法 (TGFa切断アッセイ) によるGPR75作動薬・拮抗薬の探索を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果をまとめ、論文を投稿した結果、追加 (再現) 実験実施を求められたことから、現在、追加実験を進めている、さらに、GPCR活性化測定法 (TGFa切断アッセイ) を用いて、GPR75作動薬、拮抗薬を探索し、in vivo実験により、GPR75作動薬の摂食促進効果と、GPR75拮抗剤の過食防止効果・抗肥満効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
本研究の成果をまとめ、原著論文を投稿した結果、追加 (再現) 実験実施を求められた。よって、補助事業の目的をより精緻に達成するための研究を実施するために、次年度に研究費を繰り越した。追加実験を進め、抗過食・抗肥満薬のシーズを開発する計画である。
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