2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K19246
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
築山 智之 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任准教授 (60612132)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / ノックイン / カニクイザル |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9を始めとするゲノム編集技術により、これまでに様々な遺伝子改変動物が作られるようになってはいるものの、相同組換えによる大きなフラグメントのノックインは依然として効率が悪いことが知られている。申請者が所属する滋賀医科大学では、カニクイザルにおけるゲノム編集研究を積極的に推進しているが、サルを用いる場合、マウスのように単純に試行数を増やすことで効率の問題を回避するということが倫理的に難しく、現状の効率ではノックイン実験は難しい状況である。そこで、本研究では、トランスポゾンあるいは内在性の相同組換え機構を用い、「能動的」にゲノム挿入を行う革新的なノックイン手法を確立することを目的とした。もし効率よくノックインを誘導することが可能になれば、カニクイザルを含めた大動物のみならず、全てを置き換えるポテンシャルを秘めた意欲的な研究である。 本研究では、切断活性を持たない変異型Cas9であるdCas9を、トランスポゾンの転移酵素、あるいは内在性相同組換え関連遺伝子と融合させ、ノックイン効率を向上できないか検討を行う。本年度はまず、トランスポゾンの転移酵素とdCas9との融合タンパク質を発現するベクターを構築した。また、内在性の相同組換え機構において働くことが知られている複数の遺伝子のクローニングを行い、dCas9との融合タンパク質を発現するベクターを構築した。それらのベクターを用い、293細胞、マウスES細胞、カニクイザルES細胞において、標的配列を切断できるか検証した。また、その他のHDR経路の関連タンパク質の強制発現や化学的阻害剤を駆使し、内在性の相同組換えに近い状態に誘導するために相乗的に働く因子の探索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、トランスポゾンの転移酵素、あるいは内在性の相同組換え機構に注目し、それをノックインに応用することで高効率な「能動的」ノックイン技術を確立することを目的としている。当初の予定通り、トランスポゾンの転移酵素、あるいは内在性の相同組換え機構において働くことが知られている複数の遺伝子のクローニングを行い、dCas9との融合タンパク質を発現するベクターを構築したのに加え、ノックイン効率を効率よく評価するために、恒常的発現遺伝子あるいは初期胚で高発現している遺伝子の遺伝子座にレポーターをノックインする評価系の改良を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築したベクターならびにノックイン効率評価系を用いることで、条件の最適化を行う。オフターゲットの低減に寄与する因子の探索を行う。また、その他のHDR経路の関連タンパク質の強制発現や化学的阻害剤を駆使し、内在性の相同組換えに近い状態に誘導するために相乗的に働く因子の探索を行う。 最も効果が見られた組み合わせを用い、マウス受精卵における蛍光タンパク質のノックインを行い、ゲノム編集効率やモザイク率の評価を行う。また、個体の作出も行い、オフターゲットの評価も行う。最終的に、カニクイザル受精卵でもマウスと同様の手法を用い、ノックインの評価を行う。
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Research Products
(5 results)