2023 Fiscal Year Annual Research Report
生体膜の疎水性領域を可視化する新規凍結割断レプリカ標識法の開発
Project/Area Number |
22K19252
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 秋一 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (60282232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正谷 達謄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70614072) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 脂肪酸 / フリーズフラクチャー / 脂質 / 電子顕微鏡 / ナノスケール解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
膜脂質に関しては有力な解析技術が少ないため、まだまだ未知の点が多く残されている。代表者らは、急速凍結・凍結割断レプリカ標識法(Quick-freezing & freeze-fracture replica labeling method: QF-FRL)によって膜脂質を特異的に標識することが可能であることを示し、各種脂質の二次元的分布をナノレベルで解明することに成功した。生体膜を構成する脂質は“頭部”の親水性部位とそれに結合する脂肪酸の “尾部”である疎水性部位により構成される。QF-FRL法では、生体膜を構成する脂質の“親水性頭部”に結合するプローブで標識することにより、生体膜を構成する各種脂質の微細分布を可視化することは可能となった。しかしながら、今まで用いてきたQF-FRL法では疎水性“尾部”の脂肪酸は全く解析することが不可能である。本研究では、QF-FRL法をさらに改良することにより、新規凍結レプリカ脂肪酸標識法を新たに開発し、生体膜における疎水性領域をナノレベルで解析することを目的とした。新規凍結レプリカ脂肪酸標識法を用いて電子顕微鏡により脂肪酸の微細分布を検討する実験を行なった。エッチングを行なったレプリカ薄膜では、アルキン化パルミトオレイン酸あるいはアルキン化アラキドン酸共に、生体膜において特異的な標識を得ることはできなかった。一方、エッチングをしなかったレプリカ薄膜では、アルキン化アラキドン酸のアルキン基を標識することに成功した。これらの結果から、生体膜に存在するアラキドン酸が親水性領域側にアルキン基、つまり脂肪酸の末端が露出していることが示唆された。
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