2022 Fiscal Year Research-status Report
細胞外小胞を介したshear stressによる新たな動脈硬化制御機構の解明
Project/Area Number |
22K19255
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山脇 英之 北里大学, 獣医学部, 教授 (60399607)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | シーアストレス / 細胞外小胞 / 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化症は心筋梗塞や脳梗塞のリスク因子となる未だ死亡率の高い慢性の循環器疾患で、新たな創薬標的の発見が待ち望まれている。動脈硬化発症と血行力学の関係は古くから知られている。すなわち、血流が早く(high flow)、血管内皮細胞にかかる剪断応力(シーアストレス)が大きい動脈部位では動脈硬化が起こりにくいが、血流が停滞し乱流(disturbed and low flow)が発生する動脈部位では動脈硬化が起こりやすい。細胞外小胞(extracellular vesicles: EV)は様々な核酸やタンパク質などを内包し、細胞間情報伝達を担う新たな分泌性の機能性粒子として近年、注目されている。本研究では「high flowにより血管内皮細胞から放出されるEVは動脈硬化抑制作用を示すが、disturbed and low flowにより放出されるEVには動脈硬化促進作用がある」という仮説を検証することで、動脈硬化症と血行力学の関係性の謎を解き明かし、新たな創薬標的を探索することを目的とする。本研究は、EV(及び内包物)が血流による圧力(シーアストレス)の差異で変化し、それによって病的リスクが生じる可能性を導きだそうとするものである。本年度は、培養血管内皮細胞に対するin vitroでのシーアストレス負荷装置のセットアップを行った。また、シーアストレス負荷内皮細胞の培養上清からのEVの単離などに関する基礎的な条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シーアストレス負荷装置のセットアップや条件検討は行ったものの、細胞外小胞に関する解析は進んでいない為。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、シーアストレス負荷培養細胞の上清から細胞外小胞を回収し、その解析を進めて行く。またデータを集めて学会発表することを目指す。
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Research Products
(1 results)