2022 Fiscal Year Research-status Report
「生物工場」実現に向けたニワトリ卵白における組換えタンパク質のヒト型糖鎖修飾
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22K19260
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大石 勲 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (50314472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迎 武紘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (40803309)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 糖鎖修飾 / 糖転移酵素 / ニワトリ / 組換えタンパク質 / シアル酸 / ガラクトース |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオ医薬品など組換えタンパク質の需要は拡大しているが、現在の培養細胞を用いた高コストの製造技術は改善する必要がある。我々は遺伝子組換えニワトリの卵白に様々な組換えタンパク質を低コストで生産する技術を開発したが、医薬品製造などへの応用を考えたときにN-結合型糖鎖修飾がヒト型と比較して不完全であること(具体的には末端のガラクトースならびにシアル酸が欠けていること)が解決すべき課題であった。この糖鎖修飾の違いは、ニワトリ卵管細胞に発現する糖転移酵素の特性により決定されているため、適切な糖転移酵素を卵管細胞に発現させることで、卵管細胞により生産された卵白中の組換えタンパク質に、ヒト型のN-結合型糖鎖修飾が実現することが期待される。 本年度、卵管組織でβ-1,4-galactosyltransferase 1 (ガラクトース転移酵素)とβ-galactoside α-2,6-sialyltransferase 1 (シアル酸転移酵素)を発現するノックインニワトリを樹立した。卵管特異的に発現させることを企図し、オボムコイドの翻訳開始点に2A自己切断ペプチド配列を介して両糖転移酵素が発現するようデザインした。ゲノム編集技術による遺伝子ノックインにより企図したニワトリの樹立に成功し、卵白におけるタンパク質のガラクトースならびにシアル酸修飾の顕著な亢進が認められた。このニワトリを他の組換えタンパク質を卵白に発現するニワトリと交配することで、該タンパク質のN-結合型糖鎖修飾をヒト型に近づけることができると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りノックインニワトリの作出を行った。心配されたニワトリの発生異常等はなく、卵白においても企図したように糖転移の亢進を強く示唆する知見が得られており、研究が概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに樹立した卵白に外来タンパク質を発現するノックインニワトリと交配し、後代のダブルノックインニワトリの卵白における外来タンパク質の糖鎖修飾に関して解析を試みる。ヒト型の糖鎖修飾を期待するとともに、これに伴うタンパク質の性状変化についても解析を行いたいと考えている
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Research Products
(1 results)