2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification and analysis of the structure-function relationship of eukaryotic glycolipids involved in protein sorting and insertion into membanes
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22K19262
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永森 收志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90467572)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | タンパク質膜挿入 / 細胞内選別輸送 / リポソーム / MPIase / 小胞体 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質が細胞質で生合成されたのち、それらが機能を発揮する場所に輸送され局在化する。この分子機構については概ね明らかにされているが、一部の膜タンパク質の選別輸送・膜挿入機構が未解明である。申請者らは、モデル生物大腸菌のタンパク質膜挿入機構を研究し、膜挿入に必須の糖脂質MPIaseを発見した。タンパク質膜挿入機構は基本的にすべての生物で保存されているため、真核生物でもMPIase様の機能をもつ物質が存在する可能性を着想した。ヒト由来のHeLa細胞からミトコンドリアや小胞体を分画し、MPIaseと同様の抽出により、膜挿入活性を示す糖脂質が得られた。本研究では、まず、使用細胞や細胞分画法の検討を行った。その結果、HeLa細胞をホモジナイザーで破砕し、分画するともっとも効率よくMPIaseホモログの抽出が可能であることが判明した。HeLa細胞は凍結しても新鮮なものを用いても同様の抽出効率であった。ミトコンドリアと小胞体からMPIaseホモログを単離・精製し、選別輸送・膜挿入に関与することを示す。各オルガネラのMPIaseホモログを抽出し、リポソームに再構成したところ、小胞体タンパク質(Cytochrome b5)は小胞体抽出物を含むリポソームに、ミトコンドリアタンパク質(Tom5)はミトコンドリア抽出物を含むリポソームに効率よく膜挿入した。これらの結果は、MPIaseホモログによりタンパク質選別輸送・膜挿入が達成されたことを示している。現在、構造解析に十分な量(目標数ミリグラム)のMPIaseホモログの精製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
真核生物MPIaseの抽出に用いる細胞腫や細胞破砕条件が決定でき、次年度の構造解析に向けたMPIaseホモログ調製の体制が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
真核生物MPIaseの抽出に用いる細胞腫や細胞破砕条件が決定できたため、構造解析に必要な量・純度のMPIaseホモログの精製を進める。精製が完了し次第、MS分析やNMR分析による構造解析を進める。
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Causes of Carryover |
遠心機修理費として用意していたが、作業完了が翌年度になったため。当該助成金は令和5年度の材料費に組み込み、細胞培養のスケールを上昇させる。
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