2023 Fiscal Year Annual Research Report
Finding origins of the thermal conductivity lowered locally in a cell
Project/Area Number |
22K19273
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 団 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (40350475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 牧人 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40609236)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 構成的手法 / 細胞内熱物性 / 熱産生 / 光熱変換 / MDシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまでに、細胞内の熱伝導率計測に成功した。しかし、細胞内の局所的な熱の放出とその散逸過程のごく一部が明らかとされたに過ぎない。本研究では、①細胞内で熱伝導率を計測するのと同時にその局所環境を同定することと、②細胞を構成する因子の熱伝導への寄与の検討を、大きく分けて2つの挑戦課題として設定してきた。2023年度はそれぞれ次を実施し、それぞれ成果を得た。①本課題の達成に必要となる技術的課題を解決するためには、微小プローブの性能を向上させるところまで立ち返る必要があった。そこで昨年度に実施した蛍光ナノダイヤモンドの材料開発を継続するほか、別のナノ材料の新規開発も並行して進めた。いずれも進捗があり、それぞれについて2024年度中に論文発表できる見込みを得た。②(i)筋細胞内における熱の散逸過程が筋収縮に与える影響を検討するために、骨格筋と心筋の熱応答性を比較する実験を行った。結果を原著論文として発表することができ、この成果により筆頭著者がCranefield postdoctoral fellow awardを受賞した。またプレスリリースを日本語および英語の両方で行った。Altmetric Attention Scoreが250を超え、国際的に広く注目を集めた。(ii)昨年度に開始した、分子動力学シミュレーションを利用した理解においても順調な進捗を得た。生体分子において生化学反応から放出される熱の分子内伝導が分子機能に与える影響を原子分解能で理解するため、ミオシン分子のATP加水分解過程に着目した。すると意外にも、化学的エネルギーが仕事に変換される初期のメカニズムを説明する結果が得られた。そこで、モータータンパク質の機能の本質でありながら、これまで明らかとされていなかったこの点に注力した解析を推進した。本課題についても次年度早期の論文発表を見込んでいる。さらに①と②の両課題を包括して議論する総説を発表することもできた。
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[Presentation] ミオシンと制御タンパク質は骨格筋と心筋において加温による活性化を相補的に制御する2024
Author(s)
Ishii, S., Oyama, K., Kobirumaki-Shimozawa, F., Nakanishi, T., Nakahara, N., Suzuki, M., Ishiwata, S., Fukuda, N.
Organizer
第101回日本生理学会年会
Int'l Joint Research
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