2023 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクスの基本動作原理に基づくメチロームの合成
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22K19276
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 九州大学, 医学研究院, 教授 (90201326)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 出芽酵母 / ゲノム編集 / DNMT5 / ナノポアシーケンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
内在性のDNAメチル化を有しない出芽酵母をモデルに、ゲノムDNAへのメチル化導入(開始)と、そこからのメチル化の拡張、拡張の制限によるメチル化領域の設定、そして世代を越えたメチル化の維持を試みるのが、本研究における挑戦である。 まず、メチル化の標的部位を作出するために、出芽酵母よりもGC含量の高い大腸菌λファージの全長をHO遺伝子座に導入する系の高度化を試みた。昨年度に続いて、方法の最適化を進めて、選択マーカーなしで一気に48.5 kbを導入できる方法を確立することができた。ナノポアシーケンシングによるゲノムアッセンブリも行って正しい挿入が起きていることを確認する方法も確立した。これにより、メチル化コールによる評価系も構築できたことになる。また、こうした操作に必要なゲノム編集用プラスミドシリーズの高度化も進めた。更に、野生株とλDNA挿入株の生育に差がないことを確認した。 一方、メチル化維持において中心的な役割を期待するC. neoformans由来のDNMT5の発現系構築を進めた。GAL1プロモータ化に発現を誘導できるセントロメア型プラスミドの構築を行った。DNMT5そのものを発現するものと、bipartite SV40核移行シグナルおよび可視化用にymNeonGreenをC末端側に付加したものの2種類を構築した。更に、野生株とこれらのプラスミドを保持した株とでガラクトースによる誘導の有無に関わらず、生育に差異がないことを確認した。今後、まずは試験管内でM.SssIでメチル化したセントロメア型プラスミドを出芽酵母細胞に導入して、ナノポアシーケンシングでメチル化の維持を検討する準備を進めている。
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Research Products
(1 results)