2022 Fiscal Year Research-status Report
月面閉鎖生態系の構築を目指した改変型シアノバクテリアの設計
Project/Area Number |
22K19279
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
秋山 修志 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 教授 (50391842)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 概日時計 / シアノバクテリア |
Outline of Annual Research Achievements |
シアノバクテリアの概日時計を改変して月面環境サイクル耐性を付与するために、我々が保有する周期変異体ライブラリからKaiCの長周期変異をリストアップし、それらを複数導入したKaiC多重変異体の候補を設計した。また、別の視点からも長周期変異の候補を検証した。他種シアノバクテリア由来のKaiCのアミノ酸配列、機能、活性を参照しつつ、本課題の目的に沿ったアミノ酸変異の候補を調べた。著しい長周期化をもたらす変異は確認されなかったが、長周期化傾向を示す変異群が一部見られたため、それらについては加算的に導入することで一定の効果が期待できる。既知のX線結晶構造をもとに、候補となる多重変異が著しい構造不安定化や機能失活をもたらす可能性がないか、これまでの経験等を踏まえつつ検証した。 一方、長時間にわたる機能評価・スクリーニングをより効率よく行うための実験系の確立に向けて検討を行った。指標としては、KaiC単独のATPase活性とリン酸化サイクルの周期が候補となる。著しく高いATPase活性を示す変異体、もしくは著しく短周期化された変異体をテンプレートとし、そこに候補となる長周期変異を導入して効果を検証することにより、機能評価・スクリーニングに要する時間がある程度短縮される可能性がある。そこでテンプレート用に、温度補償性を有する短周期KaiC変異体(ATPase活性2倍、周期8時間)を設計・調製した。 以上、月面適応型概月時計の設計に向けて、短周期変異体を鋳型とする多重長周期変異の迅速探索基盤が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
月面適応型概月時計の設計に向けた、短周期変異体を鋳型とする多重長周期変異の迅速探索基盤が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
鋳型となる短周期変異体に、リストアップした長周期変異を複数導入して長周期化の効果を確認する。効果の大きい長周期変異の組み合わせが判明すれば、それを野生型に導入して評価・最適化の作業サイクルへと落とし込む。
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