2023 Fiscal Year Annual Research Report
Role of oxidative stress in chromosomal insability with age
Project/Area Number |
22K19283
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 耕三 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (00304452)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 癌 / 細胞・組織 / 染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 複製ストレスと染色体不安定性の関連の解明 老齢マウスより単離した線維芽細胞において、複製ストレスの軽減が染色体不安定性の改善につながるかを調べるために、細胞にnucleosideを加え、53BP1 nuclear bodyの頻度や微小核の頻度を検討した。その結果、53BP1 nuclear body、微小核の頻度共に減少したことから、複製ストレスの軽減が染色体不安定性の改善につながることがわかった。また複製ストレスがどのように染色体不安定性を引き起こすかについて、染色体不安定性の原因として知られている微小管の過度の安定化が見られるかを検討した。その結果、老齢マウスの細胞では、低温処理でも残存する安定した微小管が増加しており、微小管の過度の安定化が染色体不安定性の原因であることが示唆された。 2. 染色体不安定性による異数性の発生の検討 老齢マウスより単離した線維芽細胞において、染色体不安定性が異数性(染色体数の異常)を引き起こすかどうかをchromosome spreadを行なって染色体数を数えることによって検討した。その結果、老齢マウスの細胞では、異数性を示す細胞が増加していることがわかった。またchromosome breakなどの染色体の構造の異常が見られるかについても検討し、老齢マウスの細胞では染色体の構造の異常を示す細胞が増加していることが判明した。 3. シングルセルRNA解析による加齢にともなう線維芽細胞集団の遺伝子発現変化の解析 若齢マウスと老齢マウスより単離した線維芽細胞を用いて、シングルセルRNA解析を行い、遺伝子発現の差異によってそれぞれに含まれる細胞集団を解析した。その結果、加齢にともなって、増加する細胞集団と、減少する細胞集団が存在することが明らかになった。
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