2023 Fiscal Year Annual Research Report
グアニン四重鎖によるレトロトランスポゾン転移制御メカニズムの解明
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22K19297
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
塩田 倫史 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (00374950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 秀典 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10450727)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | グアニン四重鎖 / 脳機能 / ヘテロクロマチン / 神経疾患 / 核酸高次構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトゲノムは半分ほどが「トランスポゾン(転移因子)」と呼ばれるゲノム内を動くことができる塩基配列で占められており、ゲノム構造の多様性と生物進化に大きな影響を与えている。中でもレトロトランスポゾン LINE-1 (Long Interspersed Nucleotide Element-1)は、自身の配列にコードされたタンパク質を使用して、自身のコピー配列を合成し、新たなゲノム領域に「転移する(増える)」ことができる唯一の自立型トランスポゾンである。興味深いことに、この「LINE-1転移」は脳の神経前駆細胞で高頻度に観察されており、「脳の多様性(個性)」と「神経障害」の機能的二面性を生み出している可能性が指摘されている。しかしながら、 LINE-1 の転移メカニズムと神経機能の関連性は未解明である。本研究は、生物進化の原動力のひとつである転移因子「LINE-1」が引き起こす「脳の多様性」と「神経障害」の機能的二面性に着目し、その ON-OFF スイッチを核酸高次構造である「グアニン四重鎖(G4)構造」が担うことを実証する萌芽的研究である。本年度は、LINE-1のG4構造について生物物理学的な構造解析を行い、詳細な核酸高次構造を同定した。
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