2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K19307
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中村 佐千枝 (平塚佐千枝) 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60313087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 毅 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (20302242)
加藤 真良 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (70402104)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2025-03-31
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Keywords | メッセンジャ-RNA / RNA結合受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
メッセンジャーRNA(mRNA)はDNAから遺伝情報を運搬する分子であり、その情報は塩基配列に記されている。申請者はがん転移研究に取り組む中で、IL1βなどの一部のmRNAが細胞外(エクソソーム外)で情報伝達物質として機能し、非翻訳領域(3‘UTR)の配列特異的にマウス免疫細胞の抗がん活性を向上させているという現象を発見した。申請者はこの現象が免疫系細胞だけでなく、ヒト接着系細胞でも見られるという予備的な成果を得た。またmRNAのなかでも取り込まれやすいものとそうでないものがあること、および、取り込まれたmRNAは細胞の翻訳システムとは無関係に機能していることが明らかとなった。そこで本研究では、この現象が広く哺乳動物細胞に見られる普遍的なものであるのか、その共通性や多様性を明らかにするために、接着細胞などにおいて、細胞外mRNAの受容体とその分子シグナリングを明らかにすることとした。 予備実験によると、接着系細胞ではマウス免疫細胞とは異なる分子が細胞外mRNAの取り込みを行っていることが分かってきた。そこで、ヒト上皮細胞における細胞外mRNA受容体の同定を生化学的手法により行った。確実な候補リガンドの同定も、同時に解析を開始しているため、候補RNAを蛍光ラベルし、取り込んだ細胞と、取り込まなかった細胞の発現解析を行い比較した。すでにいくつかの候補受容体が得られ、それぞれについて受容体発現細胞の樹立を行った。今後これらの発現細胞を用いて、取り込み受容体を解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験より、初代培養細胞における細胞外mRNA受容体の同定を生化学的手法(プルダウンーLC/MS)により行う予定であった。プルダウンは候補mRNAを磁気ビーズに固定したものを血管内皮細胞抽出液に混合する予定であったが、得られたサンプルの量の問題で、初代培養細胞で十分な結果が得られないことも想定され、株化された細胞を用いる方向での実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
様々な細胞において、mRNAを取り込んだときに引き起こされる分子シグナリングを解析する。mRNAを取り込んだときの細胞質内での反応を、アレイなどを用いて、遺伝子発現解析をおこなう。核内での反応をモニターするため、取り込まれたmRNAの局在を明らかにする。続いて新規受容体分子の抗体染色を行い、受容体分子の細胞内局在とそのRNA取り込みによる変化についても調べる。さらに細胞生物学的変化について明らかにするために、mRNAの取り込みがもたらす細胞増殖能・遊走能の変化を評価する。
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Causes of Carryover |
一部の物品の納入が4月以降になったため。
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