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2022 Fiscal Year Research-status Report

Molecular genetic study on signal transduction in fairy chemicals

Research Project

Project/Area Number 22K19323
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

岡本 昌憲  宇都宮大学, バイオサイエンス教育研究センター, 准教授 (50455333)

Project Period (FY) 2022-06-30 – 2025-03-31
Keywords生理活性物質 / 植物ホルモン / シロイヌナズナ / 遺伝学
Outline of Annual Research Achievements

植物の成育を撹乱するアレロケミカルとしてキノコから単離されたフェアリー分子群は植物にも微量に内在しており、新たな植物ホルモンとしての定義に合致しうる特性を有している。しかしながら、フェアリー分子が生理作用を引き起こすためのシグナル因子は未だ報告がない。そこで、フェアリー分子の作用秩序の解明を目指し、分子生物学研究に優れたシロイヌナズナを使って感受性変異株の単離を目指した。シロイヌナズナのE184野生系統はフェアリー分子のAHXに対して高感受性を示し、400uMで種子の発芽が阻害された。E184系統にEMS変異処理を施し、最終的にAHXに対して非感受性を示す変異株の単離に成功した。変異株は大きく分けて、①生育過程で、萎れやすく、葉の形態が丸まった変異株群と②植物体の大きさが若干小さくなったものの、形態的にE185野生株と同等の変異株群の2種類に大別された。①については、植物の乾燥ストレス応答に必修の植物ホルモンのアブシシン酸(ABA)に関連した変異株であるかどうかを、種子発芽を指標に試験した。種子発芽ではABA欠損変異株やABA非感受性変異株がジベレリン生合成阻害剤のウニコナゾール上で発芽できる性質を指標に試験した。さらに、ABA欠損変異株か非感受性変異株かを判定するためにABAの培地での発芽の有無を解析した。その結果、萎れやすい変異株の多くはABA欠損変異株の可能性が高いことが明らかになった。そして、浸透圧ストレス後に蓄積されるABAの内生量を分析した結果、39種類のうち実に19変異株がABA欠損であることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

フェアリー化合物に非感受性を示す変異株を単離して、それらの大半がABA欠損変異株であることを判明することができた。ABA生合成酵素遺伝子は、ZEP/ABA1、ABA4、NCED3、ABA2、ABA3およびAAO3の6遺伝子が知られている。比較的遺伝子配列の短いNCED3とABA2遺伝子について変異を解析した結果、すべての変異株でNCED3遺伝子に変異は認められなかったが、6つの変異株はABA2遺伝子に変異があることを突き止めた。

Strategy for Future Research Activity

残りの変異株に対して、ZEP/ABA1、ABA4、ABA3およびAAO3遺伝子に変異があるかどうかを解析する。また、フェアリー変異株の多くがABA欠損変異株であったことから、フェアリー化合物とABA生合成の関係性を明らかにする。一方、ABA欠損変異株に当たらない変異株に関しては、イルミナHiseq XによってDNA配列情報を取得し、各サンプルあたり約6GBのデータを取得した。ゲノムアセンブルを行っているが、リファレンスのコロンビアゲノムとE185のゲノム配列で多くのSNPが存在することから、原因遺伝子の探索が難航しているものの、候補原因遺伝子を更に絞り込んでいく予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Presentation (4 results)

  • [Presentation] RNA-Seq解析を用いたシロイヌナズナにおける2-アザヒポキサンチンの影響評価2023

    • Author(s)
      田中裕基、鈴木智大、三ッ國佳祐、崔宰熏、謝肖男、野村崇人、岡本昌憲、道羅英夫、河岸洋和
    • Organizer
      日本農芸化学会
  • [Presentation] フェアリー化合物2-アザヒポキサンチンにより発現変動するシロイヌナズナ遺伝子の網羅的解析2022

    • Author(s)
      田中裕基,鈴木智大,三ッ國佳祐,崔宰熏,謝肖男,野村崇人,岡本昌憲,河岸洋和
    • Organizer
      日本きのこ学会
  • [Presentation] Mutmap法を用いたフェアリー化合物2-アザヒポキサンチン感受性に関わる遺伝子の探索2022

    • Author(s)
      田中裕基,鈴木智大,崔宰熏,謝肖男,野村崇人,岡本昌憲,道羅英夫,河岸洋
    • Organizer
      日本生化学会大会
  • [Presentation] 2-アザヒポキサンチン処理後のシロイヌナズナにおけるRNA-Seqを用いた遺伝子発現差解析2022

    • Author(s)
      田中裕基,鈴木智大,三ッ國佳祐,崔宰熏,謝肖男,野村崇人,岡本昌憲,道羅英夫,河岸洋和
    • Organizer
      植物化学調節学会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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