2022 Fiscal Year Research-status Report
深海底熱水噴出孔チムニー内部における始原的古細菌の生態と代謝の解明
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22K19340
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 庸平 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (00359168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 昭夫 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科(藤沢), 教授 (60260329)
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Project Period (FY) |
2022-06-30 – 2024-03-31
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Keywords | 金属硫化物チムニー / プロテオーム解析 / トランスクリプトーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
「チムニー内部で始原的な特徴を有する生命が、どのように生命活動を営んでいるのか?」という問いを解明するため、本研究では、「①金属硫化物チムニー試料のプロテーム解析を行うことで、Pacearhaeotaがチムニー内部で生息する上で重要な遺伝子を解明する。また、チムニー試料のメタボローム解析を行うことで、チムニー内部で重要な代謝経路について特定する。」、「目的②金属硫化物チムニー内部から明らかにされた極小微生物をPacearchaeotaと想定し、生息場とゲノムの情報を活用し、Pacearchaeotaの培養を行う。特に核酸発酵に必要な基質、シリカ、Cu2Oを混合した培地を用いる。培養試料を対象に、トランスクリプトーム解析を行い、培養条件下で強発現するPaearchaeotaの遺伝子を特定すると共に、13Cラベルされた核酸発酵の基質の取り込み実験を行い、同位体標識された細胞を岩石内部から検出し、シリカやキュプライトとの相関を明らかにする。」を行う。 R5年度は金属硫化物チムニー試料を破砕して、タンパク抽出を行い、ポリアクリルアミド電気泳動による確認を行った後、プロテオーム解析した。得られたデータは、代表者の先行研究で実施したゲノム解析の結果と比較し、論文に取りまとめ中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
プロテオーム解析のため行った金属硫化物チムニー試料からのタンパク抽出で、条件検討する必要が生じたが、R5年度内にデータを取得、論文化の準備までできた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り実験を実施する他、現在準備中の論文の投稿、次年度は学会等での成果公表も予定している。
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Causes of Carryover |
Covid19の発生とそれに伴う行動制限の影響で、対面での打ち合わせをweb会議に切り替えたため、本年度の旅費は不使用となった。現在取得予定のデータを次年度に解析する必要があるため、研究員は本年度ではなく次年度に雇用することになった。
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